News Up 相次ぐ“集団職質妨害”

News Up 相次ぐ“集団職質妨害”
薬物の密売グループや暴力団員などが、警察官から職務質問を受けた際に、多数の仲間を呼び寄せて妨害を行うケースが、ことし大阪府内で100件以上相次いでいることが、警察への取材で分かりました。逮捕を免れるため組織的に行っているとみられ、警察は対策の強化に乗り出しました。
警察によりますと、ことし7月、大阪・旭区の路上で不審な行動をしていた男に警察官が職務質問をしました。身元を確認したところ暴力団員と分かり、持ち物から注射器が見つかったことから覚醒剤の使用を疑い、任意の検査に応じるよう求めましたが、男はこれに応じず、突然近くの飲食店に入ってどこかに電話をかけたということです。
すると、まもなく、男の仲間とみられる人物が次々と集まり、最終的には30人ほどにふくれあがりました。男が電話で助けを求めたとみられ、現場では「お前ら邪魔なんじゃ」などというどなり声が飛び交うなど一時、騒然となりました。居合わせた男性は「集まった人たちが警察官やパトカーの前に立ちはだかって足止めしているように見えた」と話していました。
この混乱に乗じて、最初に職務質問を受けた男は仲間の車に乗り込んで走り去りました。しかしその後、注射器に覚醒剤が付着していたことが確認され、警察は男の所在を突き止めて覚醒剤を所持した疑いで逮捕するとともに、現場に集まった暴力団員など13人を特定して公務執行妨害などの疑いで逮捕しました。警察によりますと、大阪府内では職務質問に対するこうした妨害行為が相次ぎ、ことしに入って100件以上起きているということです。

集団での職質妨害の実態は

警察によりますと、ことし7月、大阪・旭区の路上で不審な行動をしていた男に警察官が職務質問をしました。身元を確認したところ暴力団員と分かり、持ち物から注射器が見つかったことから覚醒剤の使用を疑い、任意の検査に応じるよう求めましたが、男はこれに応じず、突然近くの飲食店に入ってどこかに電話をかけたということです。
すると、まもなく、男の仲間とみられる人物が次々と集まり、最終的には30人ほどにふくれあがりました。男が電話で助けを求めたとみられ、現場では「お前ら邪魔なんじゃ」などというどなり声が飛び交うなど一時、騒然となりました。居合わせた男性は「集まった人たちが警察官やパトカーの前に立ちはだかって足止めしているように見えた」と話していました。
この混乱に乗じて、最初に職務質問を受けた男は仲間の車に乗り込んで走り去りました。しかしその後、注射器に覚醒剤が付着していたことが確認され、警察は男の所在を突き止めて覚醒剤を所持した疑いで逮捕するとともに、現場に集まった暴力団員など13人を特定して公務執行妨害などの疑いで逮捕しました。警察によりますと、大阪府内では職務質問に対するこうした妨害行為が相次ぎ、ことしに入って100件以上起きているということです。

さらに悪質な手口も・・・

さらに、仲間を集めるだけでなく、より巧妙で悪質な妨害も起きています。ことし9月、大阪・淀川区で職務質問を受けていた男が仲間に電話をかけると10人ほどが集まってきました。そして、このうちの誰かが119番通報して救急車を呼び職務質問を妨げたということです。
警察によりますと、こうしたケースもことし27件にのぼり、中には逮捕を免れるため、うその症状を訴えて救急車を病院に向かわせたケースもあったと警察は見ています。

手口はどう広まった?

捜査関係者によりますと、こうした妨害は数年前から薬物の密売グループや暴力団関係者などの間で広がっているということです。
また、ここ最近は、山口組の分裂による対立抗争で警察官が積極的に職務質問を行うようになったため、暴力団員による妨害が増えているとみられています。

警察が対策を強化

職務質問は警察官が、挙動が不審と判断した人物を呼び止めたうえで、任意で、質問したり持ち物を調べたりする手続きであって、覚醒剤事件などを摘発するきっかけになることが少なくありません。
妨害が相次いでいる事態を重く受け止め、警察は、相手が誰かに電話をかけようとした場合にはすぐに応援の警察官を呼ぶよう指導するなど、対策の強化に乗り出しました。
大阪府警の榎原章人地域指導室長は「薬物事件を見逃すことにもつながりかねず、違法行為は絶対許さないという姿勢のもと毅然と対処していく」と話しています。