プレステVRは、ポケGOより格段につまらない

ソニーは決算が順調でも創造性に乏しい

この答えは「ノー」だ。上述のように、昔すでにゲームセンターのゲーム機で採用された技術の延長線上にあるものだ。なので、あまり目新しさは感じられない。

昔に流行った業務用のVRゲーム機は、レーシングゲームや飛行操縦ゲームなどであった。ヘッドマウントディスプレイを頭にかぶって、ハンドルを握り、フリーウェイをものすごい速さで走り、他車をどんどん抜いていき、爽快な気分になる、あるいは、飛行機を操縦し、パイロット気分になって悦に入ったものである。

プレステVRの方が、こうした20年前の業務用VRゲーム機よりも、格段に技術面での進歩を遂げていることは、当たり前といえば当たり前だ。

例えば、フリーウェイで車の助手席に乗り、ギャング団と銃撃戦をするというゲームがある。

プレステVRの良さは、上、下、右、左という360度空間がプレイヤーの頭の動きに滑らかに反応し、高精細の鮮明な画像を見ることができる(体験することができる)ことである。

それゆえ、「没入感」が非常に強い。運転している男性と会話をしながら(運転手が話しかけてくる)、銃を撃ったり、弾込めすることもできる。まるで、映画の中に自分が居るようで、臨場感あふれる銃撃戦ができる。

「ポケモンGO」のような「今までなかった感」がない

他のゲームもいろいろあるが、どのゲームも没入感はものすごい。だが、逆に言えばそれだけだ。

なるほど異次元の空間の面白い体験はできるかもしれない。ただ、それが「斬新な面白さ」をもったゲームの面白さかと問われると、「No」と筆者は答える。

確かに、プレステVRのような仮想空間を体験することは、昔の業務用VRゲーム機ではできなかった。しかし、そこにはそのゲーム機なりの面白さはあった。プレステVRもそれなりの面白さはある。だが、比較するのは、ソニーとしては嫌かもしれないが、「ポケモンGO」のように、いままでに全く存在しなかったゲームの面白さではない。

率直に言うなら、昔の業務用VRを非常に進化させ(CPUの演算機能も昔よりも飛躍的に速くなっているので)、家庭用ゲームに関連づけただけである。今までに存在しなかったものではない。

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