【世良公則】ロックな歩みは、情操教育のバイオリンから始まった

ロック精神の原点を探る:世良公則 (ロックミュージシャン)の場合 第1回

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文:十代目 萬屋五兵衛 / 写真:的野 弘路

03.24.2016

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バイオリンとベースは同じ4弦だよな、と言われて

世良は間もなく高校に進学した。だが当時はローリング・ストーンズをはじめとした洋楽に興味を持つ学生は、そう多くはなかった。

同じクラスに、しょっちゅう授業を抜け出す素行の悪い生徒がいた。ある日、その生徒が世良に向かって、「お前、ローリング・ストーンズ好きなの?今度バンドやるんだけど、1度うちに遊びに来ないか?」と誘ってきた。

それが世良公則&ツイストの前身となる「FBI」というバンドの始まりだった。

「すでにドラム、ギター、ボーカルがいて、『世良、お前バイオリン弾くよな? バイオリンとベースって同じ4弦だから、お前弾けるよな?』と言われて。そうしてドラムをやっている奴の兄貴のベースを借りて練習を始めたんです(笑)」

世良のバンド人生のスタートは、ヴォーカルではなくベースだったのだ。

≪次回に続く≫

世良公則(せら・まさのり)

1977年11月25日シングル「あんたのバラード/世良公則&ツイスト」でデビュー。シングル「銃爪」はオリコン1位を獲得し、TBS「ザ・ベストテン」において最初のシングル年間1位を獲得。その後「燃えろいい女」等ヒット曲を連発し、78年はシングル3作で計144.2万枚をセールス。
1978年7月発売のデビューアルバム「世良公則&ツイスト」はオリコン1位を記録。日本のロックバンドとしてアルバムが、チャート1位を記録したのはこのアルバムが初めてでロックをメジャー化するパイオニアとなった。
1981年末にツイストを解散。その後はソロとして音楽活動を開始。ソロ活動開始以降は映像の仕事も併せて始める。
1998年公開「カンゾー先生」今村昌平監督作品出演。 その作品で2度目の日本アカデミー大賞助演男優賞受賞/第10回及び第22回助演男優賞を受賞。

2008年1月、野村義男と共にアコースティックユニット・音屋吉右衛門としてデビューシングル・アニメ主題歌「ヤッターマンの歌」をリリース。8月、タツノコプロ が制作した「マッハ GoGoGo」のトリビュートアルバムに参加。
2012年10月、世良公則デビュー35周年記念アルバムとして初の邦楽カバーアルバム「BACKBONE」及び「the ultimate WE AREGUILD9」GUILD9/世良公則を2枚同時リリース。
2015年アニバーサリーイヤーを迎え、3ヶ月連続リリースを発表。8月音屋吉右衛門ライヴアルバム「オトコノウタ」、9月奥田民生作詞作曲による初のデュオソング「いつものうた」をつるの剛士とのコラボでリリース。10月には、世良公則監修の初のオフィシャルベストアルバム「Premium BEST Songs&Live~いつものうた~」をリリースした。その年末には、TBSドラマ「下町ロケット」に出演し話題を集める。
2016年、60th Anniversary LIVE「Birth」~タカガウマレタヒ~と題し、所縁のミュージシャンと共にコラボレーションライブを全国で行っている。

世良公則ANNIVERSARY2016特設サイト

十代目 萬屋五兵衛(じゅうだいめ・よろずやごへい)
フリーライター
本名:高橋久晴。株式会社更竹代表取締役。大学卒業後、音楽業界から職業人歴をスタートさせる。制作、宣伝を中心に独自のマーケティング戦略で有名ミュージシャンやアーティストたちと多くのプロジェクトを成功させる。その後、飲食店開発の企業に転職し、飲食店をリアルメディアとしたマーケィング部門や、他業種のリアル店舗をつなげた新BGMサービス事業、フィットネスコミュニティ事業など、ライフスタイル事業を幅広くプロデュース。数社の役員を歴任後の2013年、家業の会社を軸に自身の経験を活かした企画コンサルティング事業を開始。「現代版よ・ろ・ず・や」というコンセプトを掲げ、多くの企業のプロジェクトに携わっている。

※萬屋五兵衛:1700年代から家系伝承されてきた職業名
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