バイオリンとベースは同じ4弦だよな、と言われて
世良は間もなく高校に進学した。だが当時はローリング・ストーンズをはじめとした洋楽に興味を持つ学生は、そう多くはなかった。
同じクラスに、しょっちゅう授業を抜け出す素行の悪い生徒がいた。ある日、その生徒が世良に向かって、「お前、ローリング・ストーンズ好きなの?今度バンドやるんだけど、1度うちに遊びに来ないか?」と誘ってきた。
それが世良公則&ツイストの前身となる「FBI」というバンドの始まりだった。
「すでにドラム、ギター、ボーカルがいて、『世良、お前バイオリン弾くよな? バイオリンとベースって同じ4弦だから、お前弾けるよな?』と言われて。そうしてドラムをやっている奴の兄貴のベースを借りて練習を始めたんです(笑)」
世良のバンド人生のスタートは、ヴォーカルではなくベースだったのだ。
≪次回に続く≫
1977年11月25日シングル「あんたのバラード/世良公則&ツイスト」でデビュー。シングル「銃爪」はオリコン1位を獲得し、TBS「ザ・ベストテン」において最初のシングル年間1位を獲得。その後「燃えろいい女」等ヒット曲を連発し、78年はシングル3作で計144.2万枚をセールス。
1978年7月発売のデビューアルバム「世良公則&ツイスト」はオリコン1位を記録。日本のロックバンドとしてアルバムが、チャート1位を記録したのはこのアルバムが初めてでロックをメジャー化するパイオニアとなった。
1981年末にツイストを解散。その後はソロとして音楽活動を開始。ソロ活動開始以降は映像の仕事も併せて始める。
1998年公開「カンゾー先生」今村昌平監督作品出演。 その作品で2度目の日本アカデミー大賞助演男優賞受賞/第10回及び第22回助演男優賞を受賞。
2008年1月、野村義男と共にアコースティックユニット・音屋吉右衛門としてデビューシングル・アニメ主題歌「ヤッターマンの歌」をリリース。8月、タツノコプロ が制作した「マッハ GoGoGo」のトリビュートアルバムに参加。
2012年10月、世良公則デビュー35周年記念アルバムとして初の邦楽カバーアルバム「BACKBONE」及び「the ultimate WE AREGUILD9」GUILD9/世良公則を2枚同時リリース。
2015年アニバーサリーイヤーを迎え、3ヶ月連続リリースを発表。8月音屋吉右衛門ライヴアルバム「オトコノウタ」、9月奥田民生作詞作曲による初のデュオソング「いつものうた」をつるの剛士とのコラボでリリース。10月には、世良公則監修の初のオフィシャルベストアルバム「Premium BEST Songs&Live~いつものうた~」をリリースした。その年末には、TBSドラマ「下町ロケット」に出演し話題を集める。
2016年、60th Anniversary LIVE「Birth」~タカガウマレタヒ~と題し、所縁のミュージシャンと共にコラボレーションライブを全国で行っている。
フリーライター
※萬屋五兵衛:1700年代から家系伝承されてきた職業名