高木毅衆院議員(福井2区)が、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に入り、下部組織の敦賀以西ルート検討委員会の委員に復帰した。北陸新幹線敦賀以西を巡る議論が本格化するのを前に意気込みを聞いた。
―福井県が求める小浜・京都ルートの年内決定に向け、地元選出議員として決意を。
「小浜・京都ルートは1973年の整備計画で位置付けられ、福井県民が40年以上訴えてきた正式なルートだ。舞鶴、米原ルートと比べて大阪までスピーディーに移動でき、収支採算性、JR西日本の理解などさまざまな点で最も優位性がある。国土交通省の調査結果がまとまったら、小浜・京都ルートの年内決定に向けて正々堂々と強い気持ちで必要性を主張していく」
―舞鶴、米原ルートを求める京都府と滋賀県の動きが活発化している。特に、舞鶴ルートは政治力を結集して猛烈に巻き返しを図っている。
「敦賀以西ルート検討委員長で舞鶴ルートの旗振り役を務める西田昌司参院議員は京都選挙区選出。京都府全体の利益を考えるのは理解できるが、舞鶴ルートが急に出てきたことに違和感がある。建設延長が長くなって工事費が高くなるし、速達性の点でも整備新幹線のルートとしてはあるべき姿ではないと思う」
―舞鶴ルートは、山陰新幹線早期実現に向けた運動と県境を越えて連携を強化している。一方、小浜・京都ルートは北陸3県の結束が弱い。
「整備計画と基本計画には歴然とした違いがある。基本計画の山陰新幹線と四国新幹線は将来的には整備計画に格上げしなければならないと思う。ただ一緒に議論すると収拾が付かなくなる。まずは、長い間議論してきた整備計画路線を完成させることが大事。今こそ北陸3県が心を一つにして、敦賀から大阪まで一日も早くつなげることに集中する必要がある」
―年明けの衆院解散の観測があり、ルート決定が越年するのではとの見方もある。
「与党PTの会合で茂木敏充座長が話したのは、年内のルート決定の目標は全く変わっていないということ。衆院は常在戦場なので、選挙のことを考えて物事を決めることはない。もう一つは、議論を拡散してはいけないということ。山陰新幹線や四国新幹線の要望は聞かないでもないが、整備新幹線をしっかり仕上げることが最大の使命。それ以上のことを、ここで議論するのは適切ではないとの発言と受け止めている」