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任天堂「スプラトゥーン」がやみつきになるワケ

「プロスペクト理論」から読み解く

2016年10月11日(火)

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 この連載では、拙著『入社10年分の思考スキルが3時間で学べる』で紹介したキーワードやフレームワークなどを利用しながら、最新の話題を題材にして、「考える力」を高めるコツを伝授する。

 前回は任天堂の「スプラトゥーン」という“イカ人間がインクを塗りまくる”ゲーム(「Wii U」用)を素材にして、ビジネス上の重要キーワードやフレームワークについて説明を試みた。競争戦略論における「RBV」といった考え方に沿って、任天堂は自社資源を活用し「スプラトゥーン」をヒットさせた。今回も引き続き、「スプラトゥーン」を素材に解説をしていこう。

「業績不振の犯人扱いされたゲーム機」を逆手に

「スプラトゥーン」は、2014年のE3(Electronic Entertainment Expo、米国ロサンゼルスで開催)で発表された。発売は、2015年5月。(写真:AP/アフロ)

 過去の失敗を逆利用した点も見逃せない。

 Wii Uのコントローラーには、決して小さくない画面が埋め込まれている。そのため「無駄に大きい」とか、「操作性が悪い」と非難され、Wii U販売不振の犯人扱いする声もあった。

 ところが、スプラトゥーンではこれを逆手にとった。テレビ画面があり、コントローラーにも画面があってゲームが成立する。テレビでは戦闘シーンがプレーヤー視点で展開され、コントローラーの画面には陣地のインク塗り状況や味方の位置が表示される。両方の画面を見ながら瞬時に情勢を判断して動く。脳の瞬発力を発揮して、痺れるような刺激を味わえる。これがスプラトゥーンの醍醐味でもある。

 コントローラーを使ったジャイロ機能もスプラトゥーンには不可欠だ。コントローラー自体を上下左右に動かすことで、イカは向きを変える。これがWii Uのジャイロ機能。慣れてしまうと、この操作は病み付きになる。体を動かす感覚でイカを操れる。もはや、スティックは補助的にしか使わない。まさにスポーツ感覚でゲームを楽しめる。

 負の遺産扱いされたコントローラーに、「このデバイスでしか体験できない、ユニークな操作性」を持たせ、ゲーム自体の魅力をより高めている。これもまた任天堂らしい革新性と言えそうだ。

『スプラトゥーン』は、任天堂から2015年5月28日に発売された「Wii U」専用アクションシューティングゲーム。

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「任天堂「スプラトゥーン」がやみつきになるワケ」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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