代表理事あいさつ
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この度、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の代表理事という重責を担うことになりました東宝(株)((一社)日本映像ソフト協会会長)の島谷能成です。皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。
当機構は、2002年にわが国政府が「知的財産立国」を宣言したことを受けて、音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲーム等のコンテンツホルダーが一堂に会し、日本コンテンツの海外展開の促進とその障壁となっている海賊版対策を目的に、経済産業省と文化庁の支援によって設立された団体です。
CODAの海賊版対策事業である共同エンフォースメント(権利行使)は、2005年1月香港の海賊版販売店の摘発から始まりました。以来今日までの間、中国、香港、台湾において、CODAの要請による現地当局の摘発は、16,490件、海賊版691万本の押収、逮捕者3,690名に上っています。これら成果により東アジア地域では、中国上海市の一部地域を除き、日本コンテンツの海賊版が街中で堂々と販売されるという事態はなくなりました。
一方で現在、国際的に大きな課題となっているのが、オンライン上の権利侵害です。違法コンテンツは、国境をいとも簡単に越えて瞬時に拡散します。そして罪の意識が低いまま個人レベルで広く蔓延しています。対策は困難を極めるばかりです。また違法コンテンツへのアクセスを誘導するリーチサイト、スマートフォンアプリの存在も深刻な状況にあります。
これに対しCODAでは、わが国コンテンツホルダーの支援と協力の下に「CODA自動コンテンツ監視・削除センター」の運営を通じた直接的な共同エンフォースメントの実施とともに、周辺対策として、セキュリティソフト会社との連携による侵害サイトのフィルタリングや検索サービス会社との連携による検索結果表示の抑止要請、広告会社に対する広告出稿の抑止要請、金融機関・カード会社に対する侵害サイトの口座凍結等に力を注いでいます。
さらに経済発展の目覚ましいASEAN諸国との間においては、著作権侵害をはじめとする知的財産権の侵害は、“いけないことだ”“犯罪である”といった消費者意識の向上を目的として、現地政府機関や関係団体と連携し、一般消費者を対象としたセミナーや啓発イベントを開催するなどの支援活動をおこなっています。
CODAは、日本を取り巻く社会環境の変化を踏まえ、知的財産の保護・強化に向けて、設立当時の原点に立ち戻り、経済産業省、文化庁、総務省、警察庁、そして国内外の関係団体との連携を強化し諸事業を推進して参ります。皆様からの変わらぬご支援ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
2016年8月
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構 代表理事
島谷 能成