加藤裕則
2016年11月1日15時25分
2011年3月の東日本大震災で沈下した東北沿岸部の地盤が、隆起に転じている。その結果、震災後にかさ上げした漁港の岸壁は高くなりすぎてしまい、建設中の防潮堤では高低差が生じる恐れが出ている。
■44センチ隆起も
震災直後、沿岸部の地盤は大きく沈下した。国土地理院が千葉や茨城を含む被災6県の49カ所を調査した結果、宮城県の沈下が目立ち、震源に近い宮城県石巻市の牡鹿(おしか)半島にある寄磯浜では107センチも下がった。岩手県でも大船渡市赤崎町で75センチ、福島県でも南相馬市小高区で55センチ沈んだ。
太平洋プレートに引きずり込まれた内陸側の地殻にひずみがたまって断層すべりを起こし、東北地方の地殻が引っ張られる形で沈降したと見られている。
その後の人工衛星を使った調査で、沈下した地盤が石巻市を中心に隆起していることがわかった。今春までの5年間で、寄磯浜で44センチ、赤崎町で22センチ、小高区で12センチ隆起していた。
思わぬ現象に戸惑っているのが漁師たちだ。
震災後の地盤沈下で海面より低くなり、水浸しになった漁港を再生させようと、自治体は岸壁をかさ上げして元の高さに戻した。ところが隆起の影響で逆に岸壁が高くなり過ぎ、石巻市の漁港では干潮時には船底からの高さが2メートルを超えるようになった。漁師は岸壁にはしごを掛けて船の乗り降りをしたり、魚や漁具の上げ下ろしにフォークリフトを使ったりしている。
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