サンパウロ=田村剛
2016年11月1日12時46分
ブラジルでは2015年、1日平均9人が警察によって「殺害」された――。同国の警察活動をめぐり、地元のNGOがそんな調査結果を明らかにした。同国では警察と犯罪組織の銃撃戦が珍しくなく、容疑者が射殺されたり市民が巻き込まれたりするケースも多い。調査によると、警察によって死亡した人の数が増加傾向にあるとして、「早急に見直しが必要だ」と警鐘を鳴らしている。
NGO「ブラジル治安フォーラム」によると、昨年1年間に警察による発砲などで死亡した人数は3345人。14年の3146人よりも6・3%増加した。09~13年は2千人台で推移しており、増加傾向が目立っている。
首都ブラジリアがある連邦区と26州のうち、最も多かったのは最大都市サンパウロがあるサンパウロ州で848人。今年の五輪開催を控えていたリオデジャネイロは645人で2番目に多かった。
同NGOは昨年発生した全ての殺人事件についても調査。同国では銃を使った殺人や強盗が後を絶たず、犠牲者は5万8383人。9分に1人のペースで、1日に平均160人が犠牲になった計算だが、14年に比べると1・2%減少した。警察による死亡者数が最多だったサンパウロでは、殺人事件の犠牲者が最も少なかった。(サンパウロ=田村剛)
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朝日新聞国際報道部