2016年11月1日09時22分
広島で被爆し、心筋梗塞(こうそく)を患って2011年に死亡した兵庫県伊丹市の男性(当時88)の遺族が国に原爆症認定を求めた訴訟の上告審で、遺族の逆転敗訴とした今年2月の二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)が、27日付の決定で遺族の上告を退けた。
男性は陸軍兵士として原爆投下の4日後、広島市の爆心地近くに入った。国は13年、原爆症の救済範囲を拡大する新たな基準を設けたが、男性はこの新基準でも救済対象とならなかった。
今年2月の二審判決は、加齢などが原因で心筋梗塞を発症したと考えても不自然ではなく、被爆と発症との因果関係は明らかでないと判断。「健康に影響を及ぼす量の放射線にさらされた」として、男性を原爆症と認定するよう国に命じた一審・大阪地裁判決を取り消した。
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朝日新聞社会部