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記事捏造「点検が不十分」 検証結果を掲載

連載記事「新貧乏物語」の検証結果を載せた30日朝刊の中日新聞朝刊=2016年10月30日、鮫島弘樹撮影

 中日新聞・東京新聞が子どもの貧困を扱った連載記事「新貧乏物語」で事実と異なる記事と写真があったとして一部を削除した問題で、中日新聞社(名古屋市)は両紙の30日朝刊で検証結果を掲載した。中日新聞の連載初回の写真に記者の自作自演があったことが掲載当日に発覚したのに、この記者が執筆した後の回の原稿捏造(ねつぞう)を上司が見破れなかったことなど、点検が不十分だったとの認識を示した。

     検証記事などによると、中日新聞は5月19日(東京新聞は6月21日)朝刊の記事で、地方機関に勤務する男性記者(29)が、女子中学生の家庭が教材費を払えなかったとした記述で「絵の具800円」と架空の金額を書くなど3カ所を捏造した。記者はこの中学生に取材していなかった。

     また、中日新聞が2日前の5月17日朝刊に載せた写真について、この記者が自ら登場してカメラマンに撮らせたことが掲載当日に発覚。上司は後日載る予定の中学生の原稿の内容を本人に確認したが、「問題ない」と答えたという。

     同社は連載を後日掲載する東京新聞では自作自演の写真を差し替えたが、中日新聞紙面上は当時何の措置も取らなかった。

     検証は「読者や取材先よりも作り手の都合や論理を優先する姿勢」があったとした。

     同社は管理・監督責任として、臼田信行取締役名古屋本社編集局長を役員報酬減額▽寺本政司同本社社会部長と社会部の取材班キャップをけん責▽執筆した記者を停職1カ月--とする懲戒処分を決めた。処分は11月1日付。【清藤天】

    取材不足明らか

     元共同通信記者の小黒純・同志社大教授(ジャーナリズム研究)の話 上司が記者に確認したら「問題ない」と答えたとあるが、これでチェックと言えるのか。取材不足は原稿を読めば明らかで、記者に「中学生は何と言っているのか」と聞きさえすれば本人への取材がないことも見抜けたのではないか。取材対象を安易に仮名にしていた様子なのも気になった。

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