たった今、結婚しました。
11月1日。
さきほど、入籍届けを出してきました。
私より一歳年下の26歳の、おっぱいが大好きな男の子と、結婚しました。
現在、妊娠はしていませんが、馴れ初めを語るにあたり先に明言しておきたいことがあります。
私は、これまで処女の可能性を残して活動してきましたが、本日付けで、処女の可能性を手放します。 実は、今回、食事デートを一度もしないうちに結婚を決めました。 セックスだけで結婚を決めました。下田美咲です。
ということで、処女かもしれない、というファンタジーは、もう見せてあげられないのですが、今後とも、よろしくお願いいたします。
子供の頃、自分は結婚しないものだと思っていた
惚れた腫れただけの結婚は絶対にしない、と決めていた。
「結婚なんて人生の墓場じゃん」という一言をはじめて口にしたのは幼稚園の遠足の時で、山道を歩きながら「私の夢はね、お嫁さんになること! 美咲ちゃんは?」と訊いてきた友人(5歳児)に、そう返していた。変な空気が流れたことを今でも覚えている。
物心ついた時から、結婚には悪い印象しかなかった。うまくいかないこと、って位置付け。
母からも、結婚なんてしない方がいいわよ、孫の顔とかも興味ないから別に産まなくていいんだからね、と常日頃から言われていて、親も全然望んでいないし、自分の将来に結婚は関係してこないものだと漠然と思っていた。
とはいえ、自分のそのスレた感じが嫌だった私は、中学生頃から、自分の中にある【結婚は人生の墓場説】を覆せないものだろうかと思うようになり「結婚の成功例を見てみたい、そうすれば結婚を良いものだと思えるはすだ」と考え、「うちのお父さんとお母さんは円満だよ」などという友人を捕まえては、よその家庭を覗く(ために入り浸る)日々を送っていた。
けれど、知ってる夫婦の数が増えるほどに、「ダメだ、どれにもなりたくない。きっと結婚という仕組みには無理がありすぎる……」という思いが深まった。
そんな私が数年前から「そうだ、結婚をしよう」と考えるようになった。
結婚しようと思った理由
キッカケは「もう他に、やったことがない思い出作りがなくなってしまった」と思ったからだった。バンジージャンプも、スカイダイビングも、滝行も、告白も、腸内洗浄も、経験してみたかったことは一通り制覇した。あとはもう、結婚と出産くらいしか、したことがないことがない。もう、結婚式くらいしか、次のイベントテーマを思いつかない。
出産に関しては、新しい命を巻きこむことなので、軽はずみに「退屈だから、やりたい」とも思えず、「よし、結婚式をしよう、とりあえず」と考えた私は「結婚式をするために結婚するのだから、相手は、面白い結婚式をやれそうな人材がベストだな」「よし、そういう基準で、旦那さん候補を探そう!」と決め、その観点での、婚活を始めた。
「結婚」=「結婚式」という感覚であり、結婚生活への意欲はなかったので「添い遂げられそうな相手なのか」は、どうでもいい気がしていて、結婚式後にうまくいかなかったら離婚すれば良いだけだ、と思っていたので、シンプルだった。
独身時代の私は「公私混同は、してナンボ」というスタンスで仕事をしていて、「好みの男の人と出会えそうかどうか」という基準で案件を決めていたため、どの現場にも好みの男の人がわんさかいる毎日だった。
「あの子もいいな、この子もいいな」状態で、25歳が終わる頃には、面白い結婚式ができそうな精鋭も出揃ってきていたため「そろそろ本腰を入れて吟味して、年末あたりに、この中の誰かにプロポーズをしたい」と、わりと真剣に考え始めていた。
そんな時期に、彼と出会った。
それが去年の7月だ。
ホストクラブで出会った彼
ホスト雑誌で連載を持っていた私は、ホストクラブで打ち合わせをすることがよくあったのだけど、その日も編集部との打ち合わせを兼ねた飲み会で、ホストクラブを訪れていて、彼は私の隣に付いたホストさんだった。
後日、2人で遊ぶことになり、その時にセックスをしたら衝撃的に良かったため、「なんだったんだ、あれは」と確認するために何度か会っているうちに、なんだかどんどん好きになった。
私の人生設計だと、年末あたりに結婚相手を定め、来年あたりに結婚しよう、と思っていたけれど、誰かと結婚するということは、彼とは遊べなくなる、ということだ。それは嫌だなぁ、と思った。
離れがたいなぁ。
彼と遊ぶようになって2ヶ月が経つ頃には、そう思っていた。
離れがたい存在ってどうしたらいいのだろう……。
結婚する場合は、彼とする、とか?
そんな風に、うっすらと思ったけれど、とくに付き合っていなかった上に、セックスくらいしかしていなかった(食事もしたことがなかったし、そもそも会話すらしてない)ので、もちろん彼の結婚観など訊いたこともなければ想像もつかずで、でも、なんとなく、私が見た感じだと「結婚式とか挙げなくて良くね? どうでもいい」ってタイプな気がした。
仮に彼と結婚するのであれば結婚式はできそうにない。(というか、そもそも結婚をできそうにない。結婚願望があるように見えない。)
まあ、仕方ない。じゃあ、今回の人生、結婚式はナシでもいいや。
と思った時に、あれ、私、すっごい好きじゃん、彼のこと……! ここ数年間、ゴールとしていた結婚式を、できなくていいや、って気になってる……!! と衝撃を受けた。
そして観念した。仕方ない、人生設計変更だ。こんなに好きなままじゃ離れられないし、彼のことを好きなうちは、彼と遊び続けることを第一優先しよう。結婚も、まだまだ、しなくていいや。
と思っていたら、遊ぶようになって3ヶ月目、彼からプロポーズされたのだった。
プロポーズの言葉
彼「俺のこと、どれくらい好き?」
私「え、どれくらい……? すごく」
彼「何それ。表現力乏しい」
私「そう言われても、どれくらい、って、どういう単位があるの? じゃあ私のこと、どれくらい好きなの?」
この時の会話はとても印象的なのだけども、今後の連載で、もっとちゃんと掘り下げられる時に書きたいので、この場では一旦省略とし、前半をカットして後半に繋げると、
彼「俺は、一日中、美咲ちゃんのことしか考えてない。好き」
私「なるほど、そういう好きの表し方があるんだね。わかる。私もそうだよ」
彼「俺、かなり好きな子じゃないと触りたくないっていうか、手とか口が汚れるの嫌だから触るの無理なんだけど、美咲ちゃんに関しては、全部舐められるし、なんなら食べたい。腕切って食いたいくらい好き」
私「それは、すごいね。笑」
彼「食えるからね。食いたい。あと、結婚したいくらい好き」
私「(結婚……?!)」
彼「………」
私「………」
彼「俺ばっかり好きだね」
私「あ、いや。私も、結婚するとしたら○○くん(当時呼んでた名前。本名を知らなかったため源氏名)としたいと思ってたし、○○くんのこと結婚したいくらい好きなんだよねー、って最近、友達に話してたりしてたよ!」
彼「それ本当?」
私「うん。結婚したいくらい好き!」
彼「じゃあ、してくれる?」
私「え?(いつか、って意味だよね?)うん」
彼「やったー!! いつする?!」
私「え?」
彼「いい夫婦の日?」
私「え、それ、来月?」
彼「早い?」
私「ちょっと待って、親の許可とか、あるし」
彼「そうか。ていうか、結婚って、どうやってするんだろう。俺ちょっと親に訊くわ」
そう言うと彼はその場でお母さんに電話をし始め(その時、朝の7時)、「あ、もしもし。俺、結婚するわ。え、ふざけてないよ」から始まって怒られている様子があって、「わかった、あとでそっち帰るから。説明するから」と言って電話を切った。
彼「よし、あとで実家行って説得してくるから。やったー、結婚できるのかー」
私「うん。ちょっと、いろいろ要調整だけど」
彼「うん。あ! じゃあ、そうだ!!」
私「?」
彼「結婚できる日まで、俺と付き合ってください」
私「はい。笑」
彼「じゃあ、とりあえず、今から彼氏と彼女ね、入籍する日まで」
私「うん。あのね、これ、うちの親の許可取りにも関わってくることなんだけども……」
彼「なに?」
私「私、結婚するなら、ちょっといろいろと仕掛けたい。仕事(下田美咲活動)的な意味で、結婚がマイナスにならないようにして、親やスタッフからちゃんと賛成されるようにしたいから、ちょっと待っててほしい。そもそもうちの親は結婚をおめでたいことって思ってないから、ただの惚れた腫れたの結婚だと、反対される気しかしない。言いづらい。言えない。どうにかして応援されたい。だから仕掛けを作る」
彼「よく分からないけど、美咲ちゃんと結婚できるなら、俺は何でも良いけど」
私「ありがとう。だから、暴露していい?」
彼「?」
私「全体的に、ネタにしていい? ○○くんとの結婚を企画として、私が飛躍すれば、すべての関係者が結婚に納得できると思うから、本にしていい?」
彼「よく分からないけど、それ俺は読んでいい?」
私「やめて。近親相姦」
彼「まあ、よく分らないけど、結婚できるように頑張って。結婚できれば俺は何でもいい」
私「わかった。これから頑張り時、っていう今のタイミングで、ただの惚れた腫れたの結婚だと、関係各所が賛成するとは思えないから。私は、○○くんが実家に怒られにいってる間に、企画書を作る。で、営業して、書籍化を決めるようにするから」
ただの惚れた腫れたの結婚は、しない。
冒頭の一言に戻るけれど、これは彼に出会うよりも前、「いつかどっかのタイミングで誰かと結婚する」ことを決めた際、同時に決めていたことだ。
だから、プロポーズを受けたその日に私が最初にしたことは、企画書の作成だった。
結婚は、すごくリスキーなこと
結婚は失敗する可能性がある。というか失敗している例しか見たことがない。これだけ皆が失敗しているのだから、きっと私も失敗するだろう。だとすれば、そもそも、失敗してもいいようにはしておきたい。
結婚生活がうまくいかなくて、夫婦関係が破綻し、離婚したとしても「でも、この結婚は、私にとって、して良かったことだ」と思えるようにしておきたい。
結婚は、すごくリスキーなことだと思う。結婚には離婚というリスクがセットだし、それよりも怖いのが、なかなか離婚をしてもらえない、というリスクだ。がんじがらめな生き地獄になる可能性もある。
それに、私のような職業だと、結婚をして離婚をした場合、結婚をする前に持っていたものに関しては全て失っているだろう。
結婚について考えれば考えるほど、結婚をする時は、結婚したその先に何があろうと「でも、結婚して良かった!!」と言いきれるようなプロジェクトにしなければ、と思っていた。
それに、ここまで応援してくれた人たちの手前、惚れた腫れたという勢いで結婚をするのは、不義理に思える。だって、ただ単に結婚してしまうと、普通に考えて「盛り上げ女王・下田美咲」業は衰退する。
私にとって彼との恋がどれだけ尊かろうと、他人から見たら、全ての恋はくだらないし、ごく一時的な気の迷いだ。惚れた腫れたの勢いのみで、下田美咲業へのダメージをガン無視して「私、結婚する! 彼のことが好きだから!」では、いつだって私の「これから」を見つめ続けて、サポートしてきてくれた親やスタッフへの配慮がなさすぎる。
それに、私のことを好きになり私の応援をしていることで婚期が遅れている男性ファンの人たちだって、そんなのはガッカリするだろう。「さすが下田美咲」「こう来たか」と思えるような、ただの惚れた腫れたじゃない一大プロジェクトとしての結婚じゃないと。
そうできないと、私は自分に、結婚の許可を出せない。
なので私は、彼との恋を原稿にすることにした。食事デートを一度もしないままプロポーズを引き出した、私の愛されスキルを、原稿に。
「恋愛のハウツー本が出したい」とは、ずっと思っていた。けれど、叶えられていなかった。人からどう見えているかわからないけれど、作家として本を出す、というのは、すごくすごく大変なことで、出版社の企画会議はそれはもう厳しいもので、新刊候補に選ばれるのは狭き門で、恋愛ハウツー本の出版は、私とって何年も達成できずにいる目標だった。
彼との恋がなかったら書けなかった原稿で、書籍の出版にこぎつけること。それができたら、結婚してヨシ!
そんなノルマを、私は自分に課した。
そうだ、それで、発売日に入籍をしよう。
プロポーズされた朝、彼を見送った後に書いたあの企画書が、本日無事に、書籍として出版されたので、私は大好きな彼と結婚いたしました。
感謝の気持ちをこめて
大ヒットを目指します。独身時代の私を支えてきてくれた全ての人をガッカリさせたくないので!
彼は婚約後にホストを退職し、結婚のために就職をしたので、現在は会社員です。
「出版社が決まらないと、親に結婚したいって言いだせない。本の発売日が決まらないと結婚できない。ちょっと待って」という、わけのわからない待ったにも不信感を抱かず、めでたく出版が決まったら今度は「ねえ! 発売日決まった! てことは、その日までに結婚準備、全部やらないとだよ! 巻で進めなきゃ!! 両親の許可取り! 両家の顔合わせ! 早く! 時間ない! やばい!」と急かしてしまい、人生の重大ごとである結婚が、商品の都合に振り回されるという事態だったにも関わらず、ぜんぜん嫌な顔をせず、一緒になって間に合うように頑張ってくれた彼に、心より、感謝いたします。
また、結婚を決めた時点では、セックスの仕方くらいしか彼のことを知りませんでしたが、発売日を待っている間に、かれこれ1年間、一緒に過ごしてきて、セックスだけをとっても結婚を決められるほど好きなところが十分な量あったのに、セックス以外にもたくさんの長所があることがおいおい発覚して、棚ボタです。
愛してる。とは、まさにこのことだ。
と会うたびに思えている真っただ中で、結婚できて幸せです。
結婚したいほど大好きになった人と結婚をする、というすごい経験をさせてくれて、ありがとう。
そしてまた、昨年11月、作家として何の実績もなかった私の持ち込み企画を「これは面白い!」と言いきり、本にすることを即決してくださって、「1年以内に結婚したいんです」という私の都合を大切にして、本日の発売にこぎつけてくれた『新型ぶりっ子のススメ』編集チームの皆様、本当にありがとうございました! 出会えて幸運でした。
おかげで、私は自分に、結婚の許可を出せました。適齢期のうちに、大好きな人と結婚をすることができました。
ということで、ファンの皆様、読者の皆様。
ついに処女の可能性を失った下田美咲、ここからは、ますます面白い話ができること間違いなしなので、どうぞ、ご期待くださいませ。
p.s
意外にも彼は「俺、絶対、結婚式したいんだけど!!」という結婚式したい派だったため、私が勝手に諦めていた結婚式を、挙げることになりました。12月4日です。
p.s2
なぜ、出会ったばかりの彼と、すぐにセックスをしたのか。それについては、本日発売の書籍『新型ぶりっ子のススメ』に!!
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