(今回は完全にデザイナー向けの記事です。)
月刊MdN 2016年11月号(特集:絶対フォント感を身につける。2)
- 作者: MdN編集部
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2016/10/06
- メディア: 雑誌
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皆さんMdN11月号は買いましたか?!
特集が「絶対フォント感を身につける。2」ということでフォント大好き人間にとってはスルーできないものになっているのですが、何より見逃せないのが付録冊子の「絶対フォント感を身につけるためのフォント見本帳2016」!!
街中にある文字たちがどんなフォントなのかを調べるための冊子ですが、こちらなんと収録されている書体が全665書体。日本語だけでそんなにあったのか...と驚きつつも中をぱらぱらと眺めるといくつか知らなかったものがあり、何なら実務のために導入したいものもありました。
私はモリサワやフォントワークス等の有名どころはもちろん押さえてあり、実際にデザインするときにじゃんじゃん使っているので大概の書体は知っているのですが、それでもまだ知らないものもありまして、今回はそうした知名度はなかなか低いが確実にデザインのバリエーションを増やし、かつクオリティを押し上げてくれる27書体を厳選しました。つまるところ私がいまどうしても欲しいフォントたちです。
あ、でも知名度が低いとか言ってるけど「おまえこんなフォントも知らんかったんかワレェ!」ってなるやつかもしれない...!!
明朝体
まずは明朝体から見ていきましょう。とはいえ2つだけでした。
きざはし金陵
レトロなんだけどエレガントさもあってきれいめデザインに使えそう。A1明朝とかだと印象堅くなりがちだけとこれなら適度に雰囲気が和らぐのでGOOD。
S明朝ソフト
ベーシックながら角や先端を丸めに作ってあるからやさしめな印象。汎用性高そう。
ゴシック体
ゴシック体はひとつだけでした。しかも丸ゴシック体。スタンダードなゴシック体は大体知ってるしね。
TBちび丸ゴシック PlusK
丸ゴシック体に関して私は秀英丸ゴシックが一番好きなのでよく使ってますが、こっちの方がきれいだなと感じました。欲しい。
毛筆・硬筆体
毛筆・硬筆体ってどれが正解なの…といつも悩みがち。よさそうなのを4つ見つけられてこれは収穫。
モトヤ正楷書
THE・スタンダードという印象。楷書ならこれが正解っぽい感じですね。
白舟大髭115
書道家が力強く書いたような筆文字って時折必要な場面があるのですが、まさしく探していたような書体。筆が流れている様子があるのがいいですね。
DF新篆体(しんてんたい)
ライラっぽい感じだけどこちらの方が男らしいですね。使う場面を選びそうだけど刺さるときはジャストで刺さりそう。
解楷書-築地二号
ピンポイントすぎるのですが、カタカナが非常に美しい。それだけ。カタカナだけ欲しい。
デザイン書体
デザイン書体がほとんどになってしまいました。20書体。もれなく全部欲しい…。
TBカリグラゴシック
ポップだけどポップ過ぎずちょうどいいゴシック体。ポップ系のデザインでもきれい系のデザインでも両方使えそう。
TBかナ-白のアリス
非常に個性的で英国風の印象を与えたいときにジャストなフォント。かな書体なので漢字は他の書体で置き換える必要があるのですが、見出しやロゴに使う場合はこのフォントに合わせて自分で作っちゃうのが正解ですね。
TBかなバンク-ツルコズ
こちらも個性的なかな書体。カタカナが特に好きです。ロゴタイプに使用してスマートな印象を与えるとかの使い方がよいでしょうか。
DFロマン鳳A
レトロな雰囲気が魅力的。何だかカレーを想起させる書体だなと思うのですが私だけでしょうか?
DF優雅宋
エレガント系な書体で美容系の広告などに使えそう。ベルばら感がありますね。
ラインG
ジオメトリックで現代感があり、ロゴ制作の起点にしやすい書体。漢字がかわいい。
雛old
丸明オールドっぽい感じですが、丸明オールドよりややクセがなく使いやすそう。漢字がものによってはとてもクセが強いのでそういった文字は丸明オールドと置き換えてもよいかもしれません。
タイプ7
ポップかつモダンな雰囲気の書体。最近だとロゴタイプに使われているのをよく見ますね。
そよ風
最近流行りの書体のひとつ。優しい雰囲気が出るのがいいですよね。実用性高い。
歩明
上のそよ風と同じ雰囲気ですが払いの部分がはっきりしている書体。そよ風ほど文字が崩れてないので文章で組んでも読みやすいです。
照和70
ややレトロっぽくかわいい書体。絵本とかに使いたい書体だなあ。
フラミング
歩明よりも少しエレガント&かわいくなったような書体。何だかこういう雰囲気の書体ばかり好きになってしまいます。
TA-キリギリス
こちらも最近流行りでパッケージなどでよく見る書体。前々から買おう買おうと思っててそろそろ欲しいところです。
TA-おむすび
丸っぽくてとても個性的な書体。丸ゴシック体だと少々きちんとしすぎてしまう、といった場面で重宝しそうです。
TA-すずめ
簡略化した系の書体ですね。こういったタイプは使い所が非常に難しいですが刺さるときは刺さるんですよねえ。
TA-らぶカク
こちらも簡略化した系の書体。ロゴタイプの起点として使えそうです。
TA-らぶカクマル
らぶカクの丸いバージョン。かわいいけどちょっと使い所が難しいですね。
TA-らぶマル
らぶカクの角がとれました。雰囲気がやわらかいのでポップ系のデザインのときに重宝しそう。
ミウラBlock
手描き感があるデザイン書体。お菓子のパッケージとかに使いたい。
ミウラAI
手描きのアナログ感もありつつ文字の形自体も手描きな感じでかわいい書体。絵本やかわいいイメージを与えたいときのロゴタイプによさそう。
最後に
いかがでしたでしょうか。日本語だけに限定してもフォントの世界は奥が深く、様々な意匠のものが存在します。うまく使い分けることによってデザイン作業の効率化や効果的な訴求をすることができ、タイポグラフィの素養は全てのデザイナーにとって必要不可欠なものでしょう。皆さんもまだ見ぬ素敵なフォントと出会えますように。