韓国検察、大統領府を捜査=捜索拒否で対立−「陰の実力者」疑惑
2016年10月29日 23時05分 時事通信
29日、ソウル中心部で、「朴槿恵退陣」と書かれた紙やろうそくを手に大統領への抗議活動を行う人々(AFP=時事)
【ソウル時事】朴槿恵韓国大統領の親友で「陰の実力者」と呼ばれる崔順実氏(60)による機密文書入手、国政介入などの疑惑を調べている検察の特別捜査本部は29日、捜査官を大統領府に派遣し、関連資料の提出を受けた。韓国社会を揺るがす疑惑で、大統領府への捜査が開始された。退陣を求める集会も拡大、朴政権は最大の危機にひんしている。
韓国メディアによれば、大統領府は国家機密保持などを理由に検察の捜索を拒否した。検察当局者は「提出されたのは意味がない資料だ。(捜索拒否は)納得できない」と不満を表明した。検察と大統領府の対立が浮き彫りになり、政権への国民の反発が一層強まる恐れも出てきた。検察は30日午前、改めて捜索令状の執行を試みる方針。
民間人女性の崔氏をめぐっては、大統領の演説草稿などを入手し、大統領にアドバイスしていた疑いがあり、大統領記録物管理法違反に当たるかどうかが焦点となっている。また、大統領府や財界の後押しで設立した財団の資金を私的に流用していた疑惑も浮上している。