電力各社「いずれの原発の部品も基準を満たす」

フランスの原子力発電所の部品に比較的もろい鉄の合金が使われた疑いが出ている問題で、国内の電力各社は、いずれの原発の部品も基準を満たしているとする調査結果をまとめました。原子力規制委員会は、各社の調査結果を確認し、さらに詳しい調査を求めるか検討するとしています。
フランスの原発では、日本の鉄鋼メーカーなどが金属に強い圧力を加える「鍛造」という方法で製造した主要な機器に使われる合金の部品に基準以上の炭素が含まれていたことがわかり、比較的もろくなっている疑いが出ています。

これを受けて、原子力規制委員会はことし8月、国内でも同様の問題がないか、同じ加工法で製造された原発の部品を使っている電力会社11社に調査を求めていました。各社は、31日、調査結果を報告し、いずれも当時の製造データは基準を満たしているとか、製造の過程で、炭素の濃度が高い部分は切り落としているなどとしたうえで、「炭素が多く含まれている可能性はない」としています。

規制委員会は、今後、各社の調査結果を確認し、安全性に問題がないか評価したうえで、さらに詳しい調査を求めるか検討することにしています。

一方、フランスでは現地の規制当局が炭素が基準を上回っている部品が使われているおそれがあるとして、一部の原発について運転を停止して調査するよう指示し、規制委員会は調査状況の聞き取りを進めています。