日銀のホームページ(HP)が、アクセスの集中で閲覧しにくい状態になるトラブルが相次いでいる。日銀が従来の金融政策を検証すると予告して注目された9月の金融政策決定会合では、決定内容発表の前後約30分間、HPへの接続が困難になる事態も起きた。改善を求める声が高まっており、日銀はHPを管理するサーバーの処理能力を年末年始の定期更新時に増強する方針だ。
日銀によると、9月会合では、午後1時18分の発表前からアクセスが急激に増え、HPを閲覧しづらくなった。接続不調は過去数回の決定会合の際にも生じていたが、9月会合は正常化までの時間が最も長くかかったという。インターネット上では不満の声が相次ぎ、農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「HPを全く開けず、メディアなどの細切れの情報を集めるしかなかった」と振り返る。
日銀のHPを管理するサーバーは2011年に導入されたもので、日銀は「アクセス急増への対応が難しくなっていた」と説明している。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、HPの情報に自動的にアクセスして瞬時に株や為替の売買注文を出すコンピュータープログラムの利用が投資家の間に広がり、サーバーに過度の負担がかかっている可能性を指摘。「情報にアクセスできたかどうかで不平等が生じる状況を起こさないよう、日銀は万全を尽くすべきだ」と語る。【安藤大介】