中村けんです
文教委員会での行政視察、2日目の行き先は、佐賀県武雄市
視察のテーマは、武雄市図書館についてです。
「武雄市図書館」という言い方をすると、ピンと来ない方も少なくないかもしれませんが、「TSUTAYA図書館」といえば、分かる方も多いのではないでしょうか
指定管理者制度を採用し、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)に運営を委託する前の武雄市図書館では、来館者数の伸び悩み、利用者の固定化、限られた人員と運営予算といった課題を抱えていました
そのような状況の中、「便利で役に立つ図書館」、具体的には、いつでも利用できss居心地のいい図書館を目指し、民間事業者と手を組んでの新しい図書館づくりの構想が進められました
そして、当時の樋渡市長が、CCCを取り上げていた回の「カンブリア宮殿」をテレビで見た際に、インスピレーションが沸いたことが直接のきっかけとなり、図書館の企画・運営に関する提携をCCCにお願いすることになったのだそうです
CCCとの提携により、武雄市図書館で実現することになった市民価値は、次の9点
20万冊の知に出会える場所(開架10万冊から20万冊へ)
雑誌販売の導入(ライフスタイルの提案)
映画・音楽の充実
文具販売の導入
電子端末を活用した検索サービス
カフェ・ダイニングの導入(スターバックスの出店)
代官山にある蔦屋書店(つたやしょてん)のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入(自動貸出機、分類方式、空間など)
Tカード、Tポイントの導入(同意、選択制)
365日、朝9時~夜9時までの開館時間
いわゆるTSUTAYA図書館を巡っては、選書に問題がある等のニュースもありましたが、利用者を対象にしたアンケート結果では、リニューアル以降、「大いに満足」と「満足」という回答を合わせた割合が毎年8割を超えています
写真撮影が禁止だったため、中の様子を詳しくはお伝えできませんが、実際に館内を案内していただいた限りの印象としては、一言で言えば、おしゃれな図書館
図書館、書店販売コーナー、カフェの間の仕切りもなく、オーソドックスな図書館のイメージを打ち破り、これまで図書館に足を運ばなかった層が図書館を利用するようになったであろうことは、容易に想像できる造りになっていました
また、宿泊客の増加、路線価の上昇、「Tポイントレディス ゴルフトーナメント」と題したツアーの市内での開催等、二次的な効果も生まれており、その意義は大きなものであったように思います
今回、伊万里市民図書館と、武雄市図書館の2か所を視察させていただきましたが、僕が感じたことは、唯一絶対の図書館像というものはないのではないかということです
もちろん、公立の図書館である以上は、最低限の機能を備えることが前提となりますが、教育施設としての役割をとことん追求するのか、まちづくりの観点を取り入れて構想を練るのか、新しい利用者層の開拓に力を入れるのか等々、どのような考え方を前面に打ち出していくかにより、その図書館像は大きく異なるものとなるはずです。
そして、しっかりと議論を重ね、広く合意が得られたうえでの結論であれば、それがそのまちの選択であり、正しいとか間違いという類のものではないように思います
西尾市では、建物を長寿命化することにより、現在の市立図書館をあと40年使う計画になっていますが、必ずしもそれに縛られることなく、どんな西尾市立図書館にしたいのか、これを機に多方面の方々からご意見を聞かせていただこうと思います
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