レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000183964提供館 (Library) | 千葉県立中央図書館 (2120001) | 管理番号 (Control number) | 千県中参考-2015-24 | ||||
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事例作成日 (Creation date) | 2015/06/13 | 登録日時 (Registration date) | 2015年11月19日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2015年11月19日 10時11分 | ||
質問 (Question) | 黙禱の正しいやり方について知りたい。同窓会で故人に黙禱を捧げる際の参考にしたい。 国語辞典・WEBは確認済。 | ||||||
回答 (Answer) | 以下の資料に黙禱の心構え、姿勢などについて言及がありました。ただし、いずれも戦前の資料で、現行のものについては確認できませんでした。 ・『新時代の禅』(山田霊林著 大東出版社 1939) p1-15「黙禱」 「黙禱を行ふその身のかまへ」の節で、「公開の席に於ては、一般に直立して頭を前に三十度くらゐの角度に傾けることになつてゐるやうである」などの記述があります。また「深夜の秘境に融入せる心境」の節で心構えについての記述があります。 国立国会図書館デジタルコレクション・図書館限定送信資料(9-16コマ) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1255774 ・『日曜学校の新経営法』(内山憲堂著 中外出版 1927) p303-316「第九節 黙禱」 国立国会図書館デジタルコレクション・図書館限定送信資料(172-179コマ) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1145306 ・『念仏に生きる』(芝原玄超著 永田文昌堂 1943) p170-174「黙禱に就いて」 国立国会図書館デジタルコレクション・図書館限定送信資料(94-96コマ) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1040529 黙禱の歴史については、以下の資料に記載がありました。 ・斎藤吉久「黙禱 死者に捧げる無宗教儀礼の一考察」(『正論』 通巻406号 産経新聞社 2006.2 p324-333 ※目次のタイトル「死者に捧げる無宗教儀礼『黙禱』への懐疑」) 集団儀礼としての黙禱は、日本では明治天皇の大喪時に行われたのが最初で、関東大震災の一周年追悼式で東宮が赤坂仮御所で二分間の黙禱を行ったのが国民に広く定着するきっかけとなった、世界的にはイギリス国王ジョージ5世のよびかけにより第一次世界大戦休戦一周年(1919.11.11)に「二分間の沈黙」を実施したのが最初で、アメリカでもアーリントン墓地無名戦士の埋葬式(1921.11.11)で「二分間の沈黙」実施、以後、国際連盟成立で国際慣例化した等の記述があります。 ・津田博司「正戦と反戦のはざまに 大戦間期におけるイギリスの戦没者追悼をめぐって」(『パブリックヒストリー』Vol.1 大阪大学西洋史学会 2004 p74-91) http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/vol_1/pdf/vol_1_feature03.pdf p78-79に1919年11月に始まるイギリスの「二分間の沈黙」について、成立の経緯や目的などが書かれています。 国際連合では現在でも総会時に1分間の黙禱が行われているようですが、作法等については書かれていませんでした。 国際連合ホームページ「Rules of procedure and comments」 XI. Minute of Silent Prayer or Meditation http://www.un.org/en/ga/about/ropga/invte.shtml ・『国際連合総会の手続規則』(国際連合 1963) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1346701 (国立国会図書館デジタルコレクション・図書館限定送信) 14コマ規則64に「黙とう又は瞑想への勧誘」には、「各会期の最初の本会議の開会直後及び最後の本会議の閉会直前に議長は沈黙の一分間を捧げるよう勧誘しなければならない」とありますが、作法などについての記載はありません。 (インターネット最終アクセス日:2015年9月25日) | ||||||
回答プロセス (Answering process) | 国語辞典には、「無言のまま、心の中で祈ること」等とあり、それ以上の説明はない。 385.6葬送儀礼、385.7法要・年忌、385.9礼儀作法、816.7式辞等の棚をブラウジング。 ・『心に響く葬儀・法要のあいさつと手紙&マナー』(杉本祐子著 主婦の友社 2012) p187にキリスト教式の葬儀で黙禱をする場合、指を組み合わせて祈るキリスト教式葬儀での基本形に対し、キリスト教徒でない場合は「手をおろしたまま黙禱する」と書かれている程度。 国会サーチ、新聞データベース「ヨミダス歴史館」等検索。 読売新聞(昭和16年4月22日)に「黙禱結構 新国民礼法に」の記事ヒット。 →昭和16年制定の「国民礼法」関連の以下資料を確認するが、黙禱についての記載は確認できなかった。 ・『文献選集近代日本の礼儀作法 昭和編 5巻』(日本図書センター 2008) 「文部省制定昭和の国民礼法」「昭和国民礼法要項」、「礼法要項要義」「日常礼法の心得」収録。 ・『昭和国民礼法の大要』(愛国出版社 1941) ・「昭和国民礼法要項<昭和16年>」(『近代庶民生活誌 5服飾・美容・儀礼』(南博編 三一書房 1986) (「敬礼」、「拝礼」、「神社の参拝」、「国家の祝祭日」、「集会会議の場合」などの項目を中心に確認)。 ・『戦後日本と戦争死者慰霊』(西村明著 有志舎 2006) p47 昭和12年に「国民奉祝ノ時間」が設定され、春秋の靖国神社臨時大祭の際に、天皇の参拝時間に合わせ、全国民が一分間の黙禱祈念をすることが決められた、1938年「銃後後援強化週間」が定められ、強化週間中の会合、朝礼の機会に戦死者への黙禱が義務付けられた等の記述がある。 記述のなかった資料 ・『国際儀礼とエチケット』(友田二郎著 学生社 1982) ・『国際儀礼に関する12章』(外務省儀典官室 世界の動き社 2004) ・『プロトコールの基本』(日本ホテル教育センター 2005) ・『葬儀・法事のあいさつ実例事典』新版(生活ネットワーク研究会著 法研 2013) ・『公用あいさつ事典』(公用あいさつ文例研究会編 ぎょうせい 2008) | ||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) | |||||||
キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||
寄与者 (Contributor) | 備考 (Notes) | ||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 一般 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||
登録番号 (Registration number) | 1000183964 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |