永瀬正敏と河瀬直美監督が日仏独合作映画「光」で再タッグ
俳優の永瀬正敏(50)が、国際的に活躍する河瀬直美監督(47)の日仏合作映画「光」(2017年公開)に主演することが30日、分かった。視力を奪われていく弱視の写真家を演じる。
昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品した「あん」に続く2度目のタッグ。来年の第70回カンヌ国際映画祭への出品を見据えている。河瀬監督は97年「萌の朱雀」でのカメラ・ドール、07年「殯の森」でのグランプリに続き“節目の10年”となる17年にパルム・ドール(最高賞)を目指す。河瀬監督は「(最高賞を)祈っておいて下さい」と笑いつつ「カンヌは『作ったら、早く来てね』と気にかけてくれる。私自身、故郷のように感じてます」と愛着を隠さない。永瀬も「河瀬さんはカンヌで大スター。この映画が、世界中の方に伝わればいいなと思う」と話している。
作品は、永瀬演じる写真家と、目の不自由な観客向けに映画の音声ガイドを制作する女性がそれぞれに「光」を求めて葛藤する姿を描く。昨年のカンヌで永瀬との再タッグを約束した河瀬監督が、写真家としても活躍する永瀬を想定して脚本を執筆。永瀬も「(作品に)魂を置いていきます」と出演を快諾した。ヒロインには「ユダ」「進撃の巨人」などに出演した水崎綾女(27)をオーディションで抜てき。今月中旬に河瀬監督の地元・奈良でクランクインした。
永瀬はリオパラリンピックを熱心に視聴し、複数の視覚障害者に取材。体験器も使って、生活や心境をつかんでいった。「体験器をつけて2回ほど外出したのですが、自転車が急に来た時に恐怖を感じたり、やはり、まだまだ障害者の方は生きにくいと思いました」と代弁した。
クランクインの20日前からは、“河瀬流”にならい撮影で使う主人公のマンションで実際に生活。自らが撮影した写真やネガを持ち込み「写真家の部屋」を再現した。「朝起きて歯を磨いてると、スタッフが入ってくる。撮影と普段の生活の境目がなくなっていて、スタッフも全員僕のことを永瀬さんではなく、(役名の)雅哉さんと呼んでくる」と冗談交じりに明かした。
河瀬組では、カメラが回っていない時から役になりきることを求められ、ほぼ台本通りの順番で撮影するが「気持ちの流れを大事にしていて、役に入っていきやすいし、とてもありがたい」。83年のデビュー作「ションベンライダー」の故・相米慎二監督とスタイルが似ているそうで「デビューの頃を思い出しました」と笑った。
自分の写真で架空の写真集も作るこだわりようで「死んだ祖父も写真家なので、台本を読んだ時はおぉっと思った。エピソードとか似ているところがあって。役作りではなく(役の)雅哉を生きてます」と話した。
一方の水崎も「オーディションの時は台本を2ページしか読ませてもらえなかったのですが、自分の好きなタイプだと確信しました。、今も私だけ脚本をもらえてないのですが、24時間(役の)美佐子として生活しています。孤独な役で、1週間ぐらい食事がのどを通らないこともありますが、順撮りなので、美佐子の気持ちがどんどん積み重なっていくという初めての経験をしています。全身全霊をかけています」。劇中で制作する音声ガイドは、実際に水崎自身が考えて、連日、悩みながら原稿を作成。過激なラブシーンもあるが、覚悟を持って体当たりで挑んでいる。
来月中旬クランクアップ予定だ。
◆藤竜也も出演 劇中には架空の映画「その砂の行方」という作品が登場するが、藤竜也(75)が同作の主演・監督役で出演する。藤は河瀬監督がプロデュースした映画「東の狼」(カルロス・M・キンテラ監督)に主演しており、それに続くタッグとなる。