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【プロ野球】

広島、黒田の背番号15を永久欠番に

2016年10月31日 紙面から

背番号15が永久欠番になることになった広島・黒田

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 今季限りで現役を引退した広島・黒田博樹投手(41)の功績をたたえ、球団が背番号「15」を永久欠番にすることが30日、分かった。球団では山本浩二の「8」、衣笠祥雄の「3」に続き3人目。15年に復帰し、今季は日米通算200勝や25年ぶりのリーグ制覇に貢献したレジェンド右腕が、球団史に新たな一ページを刻んだ。

 その代名詞が永遠に語り継がれる。黒田が広島で通算13年間つけてきた背番号「15」は球団の宝物。松田オーナーは「広島に帰って来て2年。単純に成績だけではない。社会への影響があったし、価値観を覆した。球団として歴史に残し、功績を伝えないといけない」と話した。

 15年に古巣復帰。前年の14年にはヤンキースで5年連続2桁勝利となる11勝をマーク。メジャーからは20億円超の巨額オファーを受けた。それでも黒田は「カープで投げた方が1球を投げる重みが感じられる。今度は僕がファンの心を動かしたい」。年俸は米国の約5分の1となる4億円ながら、広島を愛する心で野球人生最後の舞台にカープを選んだ。

 「お金だけではないということ。それ以外の価値観という意味で一石を投じた」と松田オーナー。「おとこ気」という言葉が世間をにぎわせた。実力もさることながら、その言動がチームやカープファンだけではなく、社会全体に大きな反響をもたらした。

 現役生活最後となった今季は7年連続2桁勝利となる10勝を挙げ、日米通算200勝も成し遂げた。体は満身創痍(そうい)。右肩や右足首に消炎剤の注射を打ちながら、25年ぶりのリーグ制覇に導いた。32年ぶりの日本一には輝けなかったものの、松田オーナーは「残してくれたものはたくさんある。粘り強く投げることへの考え方、先発投手のプライドを(周囲の投手に)感じさせたことも大きい」と称賛を惜しむことはなかった。

 球団では、ミスター赤ヘル・山本浩二の「8」、鉄人・衣笠祥雄の「3」に続いて3人目の永久欠番。ファンの記憶、そして記録にも残り続けるであろう不世出の大エース。プロ20年間で黒田が歩んできた一歩一歩の道のりが伝説になり、後世に語り継がれていく。(市尻達拡) 

 

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