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【日本ハム】中田手記…人生初の日本一、憧れの緒方監督率いるカープ倒してつかんだ栄冠

スポーツ報知 10/30(日) 10:02配信

◆SMBC日本シリーズ2016 ▽第6戦 広島4―10日本ハム(29日・マツダスタジアム)

【写真】広島市内の中田の実家に大谷ら若手選手が集まり盛り上がった決起集会

 「SMBC日本シリーズ2016」第6戦が行われ、日本ハムが広島を下し、10年ぶり3度目(東映時代を含む)の日本一となった。4―4で迎えた8回2死満塁、中田の押し出し四球で勝ち越し。レアードの満塁弾も飛び出し一挙6得点で突き放した。2連敗から一気の4連勝で頂点に立った。今シリーズで1本塁打、5打点を挙げた中田が、スポーツ報知に独占手記を寄せ、初めて味わう日本一の喜びを爆発させた。

 リーグ優勝に続いて、なんとか日本一に立つことができました。第1、2戦とパンパンとやられたけど、札幌に戻ってからウチらしい戦いができた。正直、連敗した時点で日本一は無理だと。シリーズ前に黒田さんは現役引退って言うし、チームは押せ押せ。しかも、広島の街はカープの熱気でホンマすごかった。

 これが人生初の日本一。日本一は縁がないと思っていた。大阪桐蔭の甲子園の時も1年夏は田中さん(現ヤンキース)のいた駒大苫小牧、2年夏は早実、3年春は常葉学園菊川…。ウチが負けているチームが全部優勝。中学時代も県選抜チームに選ばれたことはあったけど、チーム自体は9人が集まらない時もある弱小チーム。日本ハムではリーグ優勝を2回経験させてもらって、また1つ階段を上らせてもらいました。

 争った相手が小さい時から見ていた地元のチームというのも、個人的には縁を感じる。あの赤いユニホームには親近感がわく。しかも緒方監督は特別な存在。実は小学校の時に監督の家に行ったことがあるんだ。当時の家のすぐ近くの高層マンションが緒方監督の自宅。「サインをもらおう」と思ってインターホンを鳴らしたら「上まで上がってこい」と玄関先まで上げてくれて。そこでサインを書いてくれた。

 当時は大きいな、という印象。オーラもあった。あまり球場で試合を見たことはないけど、緒方監督は走攻守3拍子そろった、かっこいい選手。サインはすぐに家に飾ったし、今も実家にしっかり置いてある。いつか緒方監督みたいにプロで活躍する、と純粋に思った。少しは恩返しができたかな。

 とにかく大谷翔平はすごかった。すぐにメジャー行っちゃうだろうけど、野球人生の中で翔平のようなスゴイ選手と一緒にできて幸せだよ。CS突破を決めたソフトバンクとの第5戦(10月16日)。165キロを出した時は笑うしかなかった。どこまで、すごくなっちゃうんだって。右翼の近藤は両手を広げて「はぁ?」と驚いた顔しているし。だって「165キロって何?」ってレベルでしょ。しかも、ここで完成形という選手もいるけど、もっともっと成長できると感じさせる。オレは米国にウォシュレットがないのが合わなかったけど、翔平ぐらいのレベルの選手がメジャーへ行くと思っている。

 野球やってなかったら…。プロレスラー、ラグビーか。コンビニでアルバイトしていたかもな。野球がなかったら、本当にダメ人間だった。体だけが無駄にでかくて。頭が少々良かったら、仕事の幅も広がるやん。頭悪いから無理。いずれにしても体を使う仕事しかないだろうな。

 大阪桐蔭へ進学するまで毎日、家の近くの鶴見公園(広島市中区)で夕方から21時頃まで練習。雨が降ろうが関係なく。遊びたい盛りの中学校の時は野球に集中できない時期もあった。学校からのオカンの呼び出しはいつものこと。何をもって「やんちゃ」と言うか分からんし、あとは想像に任せるけど、親には迷惑をかけてばかりだった。でも、オレには野球しかないと思った。よくプロ野球選手がけがで野球できない時期に野球がしたくなるって言うじゃん? あれと一緒。しんどいし疲れるけど、ちょっと野球から離れると無性にやりたくなるんだよね。

 リーグVの時に見せた涙。あの涙は「よっしゃ! 見返してやったぞ!」という思いが強かったから。開幕前はウチを評価しない人たちがいっぱいいた。「このチームは若い選手ばかりで、お前が引っ張らないと無理」とか。その意図は分かるけど、経験ない選手ばかりで、これだけチームがまとまって強くなったんだ。野球は独りじゃできない。とにかく長く感じたソフトバンクとのCS、あっという間に感じた日本シリーズ。今は分からないけど、これも何かの財産になると思う。今日は朝まで飲みたい。(日本ハム内野手)

最終更新:10/30(日) 10:49

スポーツ報知

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