「ロードバイク」と呼ばれる高級スポーツ自転車を狙った窃盗が東京都内で相次いでいる。自転車の部品を交換し、持ち主にも分からないようにして転売するなど、悪質な手口も横行する。そんな中、盗んだ自転車をネットオークションで販売したとして無職男(53)が窃盗容疑で逮捕された。男を追い詰めたのは、被害男性の執念の“追跡”だった。(緒方優子)
「事件」は、昨年3月にさかのぼる。
埼玉県在住の30代の会社員の男性はその日、自身のロードバイクで東京・池袋のスポーツサイクル専門店へ。店の前の立ち木に自転車をワイヤ錠でくくりつけ、20分ほど店内を見て戻ると、そこにあったはずの自転車が錠ごと忽然と姿を消していた。
盗まれたロードバイクは「EDDY MERCKX(エディ・メルクス)EFX−I」。ベルギーの人気ロードレーサーの名前に由来する人気ブランド品で、男性が1年ほど前、約40万円で購入した逸品だった。
男性はその日のうちに警視庁池袋署に被害を届け出たが、防犯登録の照会をかけても該当する自転車は見つからない。愛車の行方は分からないまま、時間だけが過ぎていった。
「犯人が自転車をネットオークションに出すかもしれない」。
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