「香港自治 大きな危機」 “強制排除”の議員と単独会見 議場入れず、街頭で活動継続
【香港=田中靖人】香港の立法会(議会)で、香港独立志向が強い「本土派」の新人議員2人が就任宣誓を無効とされた問題で、このうちの一人、游●(=くさかんむりに惠)禎氏(25)が30日、産経新聞の取材に応じた。游氏は、「中国政府の香港内政への干渉で、香港の自治が否定されかねない」とした上で、自身の議員資格が失われた場合、「香港の三権分立は大きな危機を迎える」と指摘した。
2人は政党「青年新政」から当選した。香港政府は、今月12日の2人の就任宣誓の内容が「中国に侮辱的だった」ことなどを理由に、議員資格はないと主張。高等法院(高裁)に資格取り消しを求めている。
游氏は本紙に対し、「司法の力を借りて民主的な投票結果に干渉しようとした」と述べ、香港政府の対応を批判。梁振英行政長官が、来春の行政長官選に向け、「わざと問題を起こして(中国政府への)交渉カードにしようとしている」とも述べた。梁長官が反中的な本土派議員の失脚を図ることで、中国の支持を確実にし、再選を狙っているとの見方を示したものだ。