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イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司

「働きがいのある会社」に選ばれても社員は喜べない事情

高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]
【最終回】 2016年10月31日
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「働きがいのある会社」と世間で評価されていても、全ての職場で「働きがい」が感じられるわけではないようです

 どうせ働くなら「働きがいのある職場」で働きたいもの。自分の関わる仕事に意義が見出せて、充実感を得られる。そして会社や社会に貢献できていると実感する。これこそが「働きがい」を感じられる職場の条件です。

 最近、この「働きがい」に関するランキングがあらゆるところで作られ、公表されるようになりました。それに伴い、これらにランクインするために、人事部が必死になる会社も現れています。こうした取り組みで会社が良い方向に向かうのは社員にとって、ありがたいことではないでしょうか。

 ところが、こうした人事部の動きをネガティブに捉え、否定的に見る社員もいるようです。

「働きがいのある会社」に
ランクインしたのに社員は冷淡

 都内某所にある介護・人材派遣などで急成長してきたS社は、創業8年目で売上が50億円を超えるなど、急成長中の会社です。ある日、そんなS社の社内イントラに設置された掲示板に、

 『わが社が「働きがいのある会社ランキング」にランクインしました!』

 というニュースが配信されました。その記事は、早々に半数以上の社員の目に留まりました。喜ばしいニュースのようですが、社員たちは喜ぶというよりざわつき、「どういうこと?」と疑問を抱く声が湧き上がりました。

 理由はランキングの存在を大半の社員が知らなかったから。さらに「それがどうしたの?」とか「世間が注目しているとは思えない」と冷淡な意見を発する社員もいました。意外なことに、冷めた反応ばかりです。

 その一方、職場の端っこでハイタッチして「やった!」とはしゃぐ集団がいました。それは、人事部の社員たち。

 「お疲れ様でした。苦労が報われましたね」

 涙ぐむ社員もいるほどで、彼らにとってはかなり喜ばしいニュースの様子。一体なぜ、これだけ社内でも大きく受け止め方に差が出たのでしょうか?

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高城幸司 [株式会社セレブレイン 代表取締役社長]

1964年生まれ。同志社大学卒業後、リクルート入社。リクルートで6年間連続トップセールスに輝き、「伝説のトップセールスマン」として社内外から注目される。そのセールス手法をまとめた『営業マンは心理学者』(PHP研究所)は、10万部を超えるベストセラーとなった。 その後、情報誌『アントレ』の立ち上げに関わり、事業部長、編集長、転職事業の事業部長などを歴任。2005年、リクルート退社。人事戦略コンサルティング会社「セレブレイン」を創業。企業の人事評価制度の構築・人材育成・人材紹介などの事業を展開している。そのなかで、数多くの会社の社内政治の動向や、そのなかで働く管理職の本音を取材してきた。 『上司につける薬』(講談社)、『新しい管理職のルール』(ダイヤモンド社)、『仕事の9割は世間話』(日経プレミアシリーズ)など著書多数。職場での“リアルな悩み”に答える、ダイヤモンド・オンラインの連載「イマドキ職場のギャップ解消法」は、常に高PVをはじき出している。
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