エド・はるみ、来夏都議選「グ~」自民への“刺客”に浮上も
東京都の小池百合子知事(64)がたち上げた政治塾「希望の塾」の開塾式が30日、東京・豊島区内で開かれた。小池氏は、来夏の都議選などを見据えた新党設立への布石ではないことを示唆したが、参加者には「批評家ではなくプレーヤーになってほしい」と意味深長な言葉で呼び掛けており、「小池新党」に向けた動きとの見方も。入塾者の中にはタレントのエド・はるみ(年齢非公表)の姿もあり、知名度のある塾生の存在が都議選の“刺客”としてクローズアップされる可能性も十分考えられる。
小池氏が都知事就任直後から構想を温めていた政治塾「希望の塾」が、船出を迎えた。当初、関係者は1000人ほどを予定していたが、ふたを開けてみれば応募者は2012年に橋下徹前大阪市長が開講した「維新政治塾」の3326人を大きく上回る4827人。このうち、書類選考などを経た2902人が「1期生」として入塾した。全員が入れる会場がなく、急きょ4回にわたって開塾式を行った。
満席の会場を見渡した小池氏は「感動しました。皆さん、まさしく希望を持って集まっていただいていることが伝わりました」と顔をほころばせた。ただ、その奥には共に政治に携わっていく“仲間”を見付けたい意欲も強いのは確かだ。
塾の規約では特定の選挙で公認、推薦などをしないとしている。だが、小池氏は「皆さん一人一人が批評家ではなく、プレーヤーとなって参加してもらえる方向を目指したい」と明言。「プレーヤー」の発言は、来夏の都議選での候補者擁立を視野に入れているとの見方も広がり、与野党は警戒感を強めている。
塾の合格通知のメールには選挙に出る意向を尋ねるアンケートが添えられ、塾では出馬を考えている人に対し選挙講座を開くことを検討。小池氏の周辺も「来年夏の都議選を見据えると、新党設立と無関係とは言えない」と明かす。
都知事選時から、自民党東京都連と都議会自民党に対し「ブラックボックスのような形。改革が必要」としていた小池氏。改革を進めるにあたって、都議選を機に新党を結成することも「選択肢の一つ」とこれまでに語っているが、その際に都議会自民党への刺客として名前が挙がりそうなのがエド。ネームバリューは味方となるはずだ。
この日、エドは午前10時から始まった1回目の開塾式に出席した。終了後、取材陣に政界進出への意欲を聞かれると「いえいえ、勉強をしに来ただけです」と否定したが「都知事に当選してからのスピード感と行動力は、目を見張るものがありますね」と評価した。
エドは今春、慶大大学院に入学。「お互いにより笑顔で暮らせる、気持ちのいい社会」を作るための勉強をしているという。これは、小池氏の「共感できる社会」につながるもの。「(小池氏の)生の魂がこもった言葉を聞けてよかった」とすっかり“小池シンパ”となった様子。初回の講義内容について、控えめながらも親指を立て「グ~」と持ちネタで納得のサインを出していた。
◆エド・はるみ(えど・はるみ)東京都出身。年齢非公表。明大文学部文学科卒。コンピューターインストラクター、マナー講師を経て2005年に吉本興業の養成学校、NSC東京に11期生最年長として入学。06年に東京・新宿のルミネtheよしもとで芸人デビュー。親指を立てる「グ~」のギャグで人気を集め、08年には日テレ系「24時間テレビ 愛は地球を救う」のチャリティーマラソンのランナーに選ばれる。同年、「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞を受賞。16年、慶大大学院に入学。