【動画】宇宙から帰還した宇宙飛行士の大西卓哉さん=小坪遊撮影
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 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた宇宙飛行士の大西卓哉さん(40)が30日午前9時58分(日本時間30日午後0時58分)、ロシアのソユーズ宇宙船でカザフスタン中央部の草原地帯に着陸した。7月の出発以来、約4カ月ぶりの帰還となった。

 大西さんら3人が乗ったソユーズ宇宙船は同日午前6時半すぎ、ISSから切り離され、しばらく地球の周囲を秒速8キロで回った後に大気圏に突入。約8千メートルの高さでパラシュートを開き、最後は衝撃を和らげるため、エンジンを逆噴射させて順調に着陸した。

 宇宙から戻ってきた直後は、地球の重力に慣れるまで体を自由に動かしにくいため、大西さんは出迎えたスタッフに抱えられて船外に出た。手を振るなど元気そうな様子で、帰還の感想を聞かれると「楽しかったです。空気がおいしいです」と話した。また、「4カ月間、充実した時間を過ごすことができました。応援ありがとうございました」と述べていた。その後、近くの仮設テントで医師の診断を受けた後、ヘリで空港に移動。訓練の拠点がある米国ヒューストンに向かった。

 大西さんはISSに長期滞在した6人目の日本人宇宙飛行士。7月7日に飛び立ち、9日にISSに到着。宇宙に115日間滞在した。滞在中は、加齢研究の発展につながる宇宙空間でのマウスの飼育に取り組み、12匹を全て生きたまま地球に帰した。帰還直前の10月23日には、米国の補給船「シグナス」を日本人として初めて確保した。(ジェスカズガン近郊〈カザフスタン〉=小坪遊)