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『科特隊宇宙へ』の放映日時とあらすじ
★ 昭和41(1966)年10月30日
こちらのサイトで本編(25分程度)をご覧になれます。
【人類最初の金星探検を目指して、
宇宙ロケット「おおとり」の発射準備が進められている。
宇宙飛行士として乗り込むのは、
ロケットの発明者・宇宙開発研究所の毛利博士、彼自身である。
一方、科学特捜隊は万が一の事故に備えて救助態勢を取っていた。
科特隊が救助態勢を取っているのは、
「おおとり」の第二段ロケットの発火装置に、
疑問があるという噂があったからだ】
イデは自動追跡装置を使って「おおとり」の様子を見ていた。
ハヤタはビートルで上空をパトロールしていた。
だが、彼らの心配をよそに「おおとり」の打ち上げは成功し、
イデはマッハ6というスピードに衝撃を受ける。
喜んだ彼はムラマツにシャンパンで祝うことを提案するが、
ムラマツはコーヒーでいいと答えた。
科特隊を訪れていたホシノ少年は、なぜかガッカリした様子だった。
彼は憧れている岩本博士のロケットが、
毛利博士に負けたと思っていたのだ。
ムラマツはそんなホシノ少年を励ました。
「おおとり」は順調に飛行し、
毛利博士は船内で食事を取る余裕を見せた。
だが突然、正体不明の妨害電波によって、
「おおとり」からの映像は遮られてしまう。
イデが宇宙後翻訳機をつなぐと、
モニターに現れたのは、壊滅したはずのバルタン星人だった。
科特隊の面々は信じられない面持ちだったが、
バルタン星人はウルトラマンに復讐するためにやってきたという。
そして、毛利博士に思ってもみない悲劇が起こるのだった-。
視聴率および出演者など
視聴率 : 38.9%
ハヤタ : 黒部進
ムラマツ : 小林昭二
アキコ : 桜井浩子
イデ : 二瓶正也
アラシ : 石井伊吉
ホシノ : 津沢彰秀
岩本博士 : 平田昭彦
毛利博士 : 池田忠夫
新聞記者 : 堤康久
ウルトラマン : 古谷敏
バルタン星人(二代目) : 飛鋪正直
ナレーション : 石坂浩二
制作順 : 17
監督 : 飯島敏宏
特技監督 : 高野宏一
脚本 : 千束北男
(敬称略)
妙香の感想
かれの初登場はこちらの記事で書いています。
この時はハヤタと話し合うなどして、少し話のわかる感じだったんですが、
今回は狡猾で凶暴になっていますね。
バルタン星人「われわれはウルトラマンのために宇宙船を爆破されて、
その上、光波バリアを張りめぐらせる暇もなく、
スペシウム光線を浴びせられたために、ほとんど全滅してしまった。
そしてわれわれは、ようやくわれらバルタンの住める星として、
R惑星にたどりつくことができた。
だが、われわれはあくまで地球を諦めない決意だ。
われわれは全人類に挑戦する!」
かれらはなんとしても地球に移住したいんですね。
故郷を核実験の失敗という形でなくし、
居場所を求めて宇宙をさすらう姿は哀れですが、
地球にここまでこだわるのは戦慄を覚えます。
ようやく見つけ出したR惑星を地球のようにするという、
前向きなアイデアは思いつかなかったんでしょうか。
地球にバルタン星人にとって必要な何かがあるのかも知れません。
「宇宙人の異常な執着」が怖い話でしたが、
ホシノくんを励ますムラマツはよかったですね。
ムラマツ「成功率99%のロケットに、
自分で乗り込んで宇宙に飛び出した毛利博士と、
たとえ競争に負けたと言われても、
100%完全なロケットを作り出すまで、
じっと我慢している岩本博士と、科学者として、
果たしてどちらが、勇気のある正しい生き方だろうね。
よく考えてみようじゃないか」
毛利博士は慎重な岩本博士と違って、功名心があったんですね。
そうした心の隙を、バルタン星人につけいられたんだと思います。
科学者には野心よりも、
地道にひとつずつ結果を出すという実直さが似合うんでしょうね。
いい話でしたが、科特隊のコスチュームが宇宙仕様なのか、
ビートルが墜落したR惑星には大気があるのか、
いろいろと気になりましたよ。
でも、そうした突っ込みどころがあるのも、
ウルトラシリーズの面白さだと思います。
八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)でした。
次回は『無限へのパスポート』です。
ウルトラシリーズとの出会い
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