【10月28日 時事通信社】韓国の朴槿恵大統領は28日、親友で「陰の実力者」とも呼ばれる崔順実氏の国政介入疑惑を受け、各分野の首席秘書官全員に一括して辞表を提出するよう指示した。大統領府報道官が発表した。朴氏は疑惑で支持率が10%台に落ち込み窮地に立たされる中、側近の全面刷新を図る意向だが、支持率回復につなげるのは困難とみられる。

 報道官は「大統領は近く、青瓦台(大統領府)参謀陣の人事を断行する」と述べた。大統領府当局者によると、辞表提出の対象となるのは民政、外交・安保、経済などを担当する首席秘書官10人。

 崔氏をめぐっては、大統領首席秘書官の人事に関与した疑惑などが報じられ、与野党から人事刷新を求める声が強まっており、要求を受け入れた格好だ。ただ与党セヌリ党内では、来年12月の大統領選への影響を懸念し、大統領の離党を求める議員もおり、秘書官の刷新だけで事態を収拾するのは厳しそうだ。(c)時事通信社