韓国の「影の実力者」と呼ばれる崔順実(チェ・スンシル)氏問題と関連して、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が28日、韓国大統領府(青瓦台)の首席秘書官全員に対し、一括して辞表の提出を指示した。これと共に国政介入疑惑の中心人物たる崔氏とチャ・ウンテク氏(元・文化創造融合本部団長)も28日、一斉に「帰国して検察の取り調べを受けたい」と表明した。権力の中枢部が事態の収拾のため第1次の措置に入ったような恰好だ。
大統領府の鄭然国(チョン・ヨングク)報道官は28日午後10時33分、大統領府出入りの記者団に「朴槿恵大統領がきょう夕、首席秘書官らに一括して辞表提出を指示。これにより大統領は、間もなく青瓦台のブレーンについて人事を断行するものとみられる」というメールを送った。俗に「青瓦台の権力3人組」と呼ばれるチョン・ホソン附属秘書官、李在万(イ・ジェマン)総務秘書官、アン・ボングン国政広報秘書官もそろって辞表を提出するという。与党の中心的関係者は「当初は週末ごろに第1次の措置があり、来週に本格的な人事があると思ったが、状況が急迫していると大統領は考えたらしい」と語った。
28日の昼の時点でも、大統領府はブリーフィングで「多角的な方向で熟考しているところ」と説明していた。金在原(キム・ジェウォン)大統領府政務首席も「現在の人事システムでは少々時間的な余裕が必要なことを考慮し、了解してもらいたい」と語っていた。しかし、このような大統領府に対してメディアやインターネットなどから「刷新をしぶる青瓦台が韓国国民の不安を助長している」という非難が浴びせられた。また、28日に発表された韓国ギャラップの世論調査では、朴大統領の支持率が就任後最低の17%にまで低下した。与野党とも声をそろえて「速やかな刷新」を要求した。与党セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表は28日、それぞれ朴大統領を訪ねて「速やかな刷新」を建議した。最大野党「共に民主党」は▲セヌリ党が韓国国民に向けて謝罪すること▲禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政首席の辞任▲(安鍾範〈アン・ジョンボム〉政策調整首席など)崔順実氏に加担した面々全員の辞任-という「3大先決措置」を要求し、「この措置が行われない場合、『崔順実問題特別検察官』など、現在セヌリ党と行っている全ての交渉を中断する」と主張した。