パナマ文書で政治不信 アイスランドで野党が躍進

パナマ文書で政治不信 アイスランドで野党が躍進
いわゆるパナマ文書で、租税回避地、タックスヘイブンの利用が明らかになり前の首相が辞任したアイスランドで議会選挙が行われ、政治不信が高まる中、政治の透明化を訴える野党が躍進し、連立政権は枠組みの見直しを迫られる見通しです。
アイスランドの議会選挙は、いわゆるパナマ文書で、グンロイグソン前首相がタックスヘイブンを利用していたことが明らかになったことを受けて、ことし4月に辞任し、政治不信が高まる中、29日、投票が行われました。

これまでの開票の結果、前首相が所属する進歩党がおよそ11%の得票にとどまっているほか、連立政権を組む独立党もおよそ28%と、連立与党による過半数の議席獲得は困難な情勢です。
これを受けて進歩党のヨハンソン首相は辞任を表明し、連立政権は枠組みの見直しを迫られる見通しです。

これに対し、政治の透明化を訴える海賊党が14%余りを獲得するなど、野党が躍進しています。

アイスランドの海賊党は2012年に誕生した政党で、政治の透明化や直接民主主義の推進などを訴え、若者を中心に支持が広がっています。
海賊党のヨンスドッティル党首は「議席数が3倍に伸びる見通しで、すばらしい結果だ」と述べ、議席数を大幅に増やすという見通しを示しました。

ただ、選挙協力をした海賊党を含む野党4党も過半数の議席は獲得できない見通しで、今後は連立与党を組む独立党と進歩党に新たな勢力を加え、改めて連立の枠組みを探ることになりそうです。