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Kokamのホン・ジジュン会長が京畿道水原本社で軍需用に供給されている自社の大 |
韓国の中小企業が作ったバッテリーがどのようにして世界で初めて地球を一周した太陽光飛行機に装着されたのだろうか。米市場調査企業ナビガントリサーチが昨年6月に公表した大容量エネルギー保存装置(ESS)競争力の報告書を見るとヒントが見えてくる。1位LG化学に次いでサムスンSDI-比亜迪(中国)、その次にKokamが4位だ。市場進出戦略と生産戦略・技術力・販売力・マーケティング・流通・品質・信頼度・価格など12項目を評価した結果だ。
ホン会長は「マーケティング・販売力などが劣る中企業が4位に入れたのはまさに技術力のおかげ」と述べた。Kokamはリチウムポリマー電池の元祖ともいえる。リチウムイオンバッテリーが主流だった1998年、次世代2次電池のリチウムポリマー電池を独自技術で開発して特許も出した。リチウムイオンバッテリーは液体状態の電解液を丈夫な金属材質で覆ったものだ。電解液が漏れたり爆発したりする危険がある。リチウムイオンポリマー電池は電解質をジェル状態の高分子に変えて、丈夫な金属の代わりに菓子袋のような入れ物で覆う。ホン会長は「おかげでリチウムイオンより安全で、エネルギー効率も高まった。さまざまな形態とサイズで製造ができ、重量も軽量化できた」と説明した。
Kokamのリチウムポリマーは外国、それも軍から先ず使うようになった。2008年すでに米英独などの海軍が潜水艦用などで使い始めた。韓国軍もすぐついてきた。2008年、国防科学研究所(ADD)の長距離対潜水魚雷「ホンサンオ」にKokamバッテリーが入った。ホン会長は「2012年には映画『タイタニック』の監督ジェームズ・キャメロン氏が潜水艇Kokamバッテリーが搭載された『ディープシーチャレンジャー』で深さ1万863メートルの海溝の底まで降りて行った」と紹介した。ホン会長は1979年ソウル大化学教育学科を卒業して現代電子などを経て、89年に産業用機械を輸出・入荷する貿易会社Kokamエンジニアリングを設立した。98年他社が通貨危機で慌ただしかった時、市場の先行きを読んでリチウムポリマー電池の開発に乗り出した。
始まりはリモートコントロール(RC)飛行機用バッテリーだった。マニアの間でKokamバッテリーのウワサが広がった。3年後、RC飛行機市場では既存エンジンが姿を消し、代わりにKokamバッテリーがその空きをすべて埋めた。ホン会長は「外国RC飛行機マニアの中には専門エンジニアが多かった」とし「彼らがウワサを立て始めると世界各地に代理店を出したいという人々がわが社を訪ねてきた」と話した。Kokamは、現在、売り上げの80%を海外で得ている。昨年は売り上げ800億ウォン(約74億円)に当期純益38億ウォンを上げた。ホン会長は「高効率で安全な大容量バッテリーの開発にずっと集中していきたい」と明らかにした。