【社説】朴槿恵大統領と検察は「捜査する」側ではなく「される」側だ

 韓国検察は27日、崔順実(チェ・スンシル)氏関連の疑惑について調べる特別捜査本部の設置を発表した。検察のナンバー2とされるソウル中央地検のトップが本部長に就任し、特捜部などから10人以上の検察官がこれに加わるという。しかし検察のこの発表に国民から拍手など出るはずもなく、誰もがギャグとしか考えていない。

 検察は市民団体の告発を受けてから1カ月が過ぎた26日に家宅捜索を始めた。関係者がすでに海外に逃亡したこともあり、検察が1カ月の時間を置いたのは証拠隠滅を助けたのと同じだ。その上で「特別」という看板を掲げた捜査チームを発足させたとしても、これは完全なショーにしか見えない。しかも捜査本部長に就任したソウル中央地検長は、この事件を1カ月にわたり放置するよう指示した張本人だ。

 現政権に入って検察は政治関連の無理な捜査を立て続けに行ってきた。まず前政権に報復するため「4大河川事業」と「海外資源開発」関連の捜査に着手したが、これらはいずれも罪のない関係者を自殺させただけで、何の成果も出せずに終わった。通信大手KT関連の捜査や大統領のレームダック対策とされたロッテへの捜査も、大規模な特別チームを立ち上げあれこれ調べ上げたが、新たな事実や特段の結果は何も出てこず、さらに1人の自殺者を出しただけだった。ちなみにこのような大掛かりな捜査は大統領の裁可なしに行われることはない。つまり検察は大統領の政治の下請けに利用され、国民によって与えられた権力を振りかざすことでどれだけ多くの人を苦しめただろうか。大統領はこれらの政治的な捜査に多大な情熱を傾けたが、今後その100分の1でも崔順実氏による国政壟断(ろうだん、利益を独占すること)の実態解明に傾けるだろうか。またなぜ国民の税金を使ってギャグでしかない捜査を行わねばならないのか。

 検事らは昇進やそれなりの地位をちらつかせれば、何でも指示通りやる人間ばかりだそうだ。その人事権は形式上は大統領が握っているが、現政権で実質的に検事の人事権を行使してきたのは禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政首席秘書官だ。彼はおそらく検事らに人事権を盾に圧力を加え、あるいは懐柔しながら政治捜査を背後から操っていたのだろう。検察も禹主席も、自分たちの一連の行為が法律に反しないとの理由で処罰を受けることはないだろうが、国民の常識から判断すれば、これこそまさに「巨悪」であり「大規模組織犯罪」に他ならない。

 ちなみに崔順実特別捜査本部の本部長は「大統領は捜査の対象ではない」と明言した。法律の解釈がそうであったとしても、国民の多くは大統領も捜査対象になって当然と考えているため、いかなる形であれ大統領が捜査を受けなければ、この問題は終息しないだろう。そのため大統領は自ら捜査を受けることを申し出てはどうか。大統領も検察も捜査を「する側」ではなく「される側」に立つべきだ。

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