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絶滅危惧種でも国際取引の規制になっていない「ニホンウナギ」の現状は?

 絶滅危惧種ニホンウナギの持続的利用と漁獲量などの情報収集のために何ができるのかを考える 「うなぎ未来会議2016」が東京都内で開かれています(会期は10月28日〜30日)。ニホンウナギは2014年に、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に分類されており、国際的に輸出入が規制される可能性があるとも言われていますが、現状はどうなっているのでしょうか?


日本におけるウナギ供給量の推移(平成28年10月水産庁資料より)

 ニホンウナギは2014年、レッドリストのうち、近い将来において野生での絶滅の危険性が高いとする「絶滅危惧IB類」に追加されました。しかし、今のところ、国際取引の規制にまではいたっていません。法的な強制力こそないレッドリストですが、絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制するルール「ワシントン条約」においては、規制対象を検討する上で基本的な資料として用いられています。

 ワシントン条約は、絶滅のおそれがあり保護が必要と考えられる野生生物を、次のように区分し、取引規制を行います。

 附属書I(商業目的の国際取引を禁止)
 同II(商業目的の国際取引は可能だが、輸出国政府が発行する輸出許可書などが必要)
 同III(商業目的の国際取引は可能だが、輸出国政府が発行する輸出許可書か原産地証明書などが必要)

 条約の締約国会議で附属書I〜IIIに追加されると、その野生生物の取引が規制される、という仕組みです。

 直近の同条約締約国会議は、2016年9月24日から10月4日まで南アフリカで開催されました。オナガザメ類やクロトガリザメ、イトマキエイ類に対する附属書IIへの掲載提案が、いずれも賛成多数で採択されましたが、ニホンウナギについては、附属書への掲載提案がなく、会議では規制対象になりませんでした。その一方で、ニホンウナギを含むウナギ類の資源および貿易の状況を調査し、議論する場を設ける提案が採択されました。

 水産庁によると、調査を行う機関など具体的な調査方法は今後詰められる見通しですが、もっぱら締約国各国への情報収集が中心になるとみられるもようです。日本としては、ニホンウナギの資源管理や生息環境の改善など従来の取り組みを続けるとともに、調査への協力要請がくれば、積極的に協力する方針です。

 もっとも、稚魚であるシラスウナギの漁獲高が低水準かつ減少基調にあるなど、安心できる状況とは到底言えません。調査結果次第では、3年後の2019(平成31)年に開催が予定される次の締約国会議で、あらためてニホンウナギの国際取引を規制しようという提案がなされる可能性も考えられます。

(取材・文:具志堅浩二)

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