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【プロ野球】

栗山采配、神ってた! 日本ハム10年ぶり日本一

2016年10月30日 紙面から

広島−日本ハム 10年ぶり3度目の日本一に輝き、歓喜の大谷(右から4人目)ら日本ハムナイン=マツダスタジアムで(佐伯友章撮影)

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◇日本シリーズ<第6戦> 日本ハム10−4広島

 日本ハムが終盤の猛攻で打ち勝った。4−4の8回2死満塁から中田の押し出し四球、バースの適時打、レアードの満塁本塁打と畳み掛け、一挙6点を勝ち越した。4回から継投でつなぎ、7回からはバースが2イニングを無得点に抑えて今シリーズ3勝目を挙げた。広島は打線が同点に追い付く粘りを見せたが、8回に登板したジャクソンが打ち込まれた。

     ◇

 栗山監督が自ら名付けた今季の物語「北の国から2016 伝説」。それは10年ぶりの日本一という最高の形で幕を閉じた。涙はない。信じ続けた選手たちのもとへ笑顔で歩み寄り、身を委ねる。広島の地で指揮官の体が8度、宙を舞った。

 4年前の忘れ物−。日本シリーズ制覇を達成した。それでも、胸に去来したのは野球の奥深さだ。「正直、実感がない。野球の難しさばかりが心に残ったシリーズ。勉強させてもらい感謝しています」

 勝利のために、常に野球のことを考え続けた。その栗山監督が放つ勝負手の根源は、先人たちが残した遺産にある。自身の専用車には中国の思想家・孔子らの格言を収めたCDを積み、時間が許す限り脳裏に刻んだ。「論語系とか言志録とか草根譚とか何度も聞いたよ」。それが奇跡の采配につながっていた。

 「歴史っていうのは、俺の前に経験した人の答えを導いてくれるもの。そういうのが一番、大きい」

 この試合でも采配はさえた。8回2死満塁で中田の場面では、ネクストへ大谷を送り出す。だが…。「翔平を早めに(ネクストに)出して翔(中田)と勝負してくれればと思った。(使う気は)ゼロだよ」。『代打・大谷』で相手にプレッシャーを掛け、大量点を導き出した。

 投打にフル回転の大谷に「疲れていたので使いたくなかった。そういう意味では理想的な終わり方」という。つかんだ頂点は、己が信念を貫いた証し。それでも来季続投が決まった指揮官は「若いチーム。まだ通過点」と断言。北の大地で築き上げる伝説は、まだ始まったばかりだ。

  (中田康博)

 

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