ハロウィンムード一色の今、突如として100万部突破予定(?)の絵本があることを知っていますか?
キングコング 西野 オフィシャルダイアリー - 【100万部突破】『えんとつ町のプペル』 - Powered by LINE
その本の名は、「えんとつ町のプペル」。
圧倒的に細部まで緻密に練り込まれた絵、その裏側にあるドラマと戦略。
#画像はキングコング 西野 オフィシャルダイアリー - 反撃ですよ。 - Powered by LINEより。
絵本を実際に買って、子どもたちと一緒に読んで妻に読んでもらったぼくが、感じたことを洗いざらい書きましょう。
まあ、騙されたと思って読んでみてくださいな。
- ハロウィンに蘇る「キングコング西野」さん
- 「えんとつ町のプペル」なにそれ
- 実際に買って、見て、読んでみた読んでもらった感想
- 日本語/英語併記で最初から世界を狙う
- ハロウィンの季節をターゲットにプレゼント需要を狙う
- まとめ:「絵で魅せる本、それが絵本」という世界観
ハロウィンに蘇る「キングコング西野」さん
ハロウィンって仮装ばかりが目立っていますが、実は「死者が蘇る日」。
ハロウィンの日に死者が蘇るといいますがなぜハロウィンの日に死者が蘇るんです... - Yahoo!知恵袋
過去、「好感度が一番低い芸能人」と呼ばれた西野さんが、絵本を上程する時期をハロウィンにしたことは偶然ではないでしょう。
「えんとつ町のプペル」なにそれ
その絵本がこちら、「えんとつ町のプペル」。
お笑い芸人としても有名なキンコン西野さんが書いたとあって、発売前から注目度はバリバリ高かったので、知ってる人も多いかも?
この本が特徴的なのは、絵本の書き手が1人じゃないってこと。
普通は絵本って1人とかで描きあげるものらしいのですが、「えんとつ町のプペル」はちがう。
なんつったって、総勢33人で4年半もかけて製作、そのプロジェクトをマネジメントしたのが他ならぬ西野さんなんです。
西野さん個人や製作背景を知ろうと思ったら、はなうた横丁さんの説明が本当に分かりやすいので、是非ご一読を。
【世界初】キンコン西野の絵本「えんとつ町のプペル」の爆発的人気とその軌跡 - はなうた横丁
実際に買って、見て、読んでみた読んでもらった感想
さてここからは実際に「えんとつ町のプペル」を見て、読んでもらって気付いた点などを。
とりあえず、本のストーリーに本の読み手の妻が涙してましたw
「なんぞそれ?」と気になるみなさんのために、Amazonの商品紹介ページから一部抜粋しときましょ。
ペン一本で描いたモノクロ絵本で世界を圧倒したキンコン西野が、業界の常識を覆す完全分業制によるオールカラー絵本!
「信じぬくんだ。たとえひとりになっても。」
おはなし) 4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知らない町がありました。
町はえんとつだらけ。
そこかしこから煙があがり、あたまのうえはモックモク。
朝から晩までモックモク。
えんとつの町に住むひとは、くろい煙にとじこめられて、あおい空をしりません。
かがやく星をしりません。
町はいま、ハロウィンまつりのまっただなか。
魔よけの煙もくわわって、いつもいじょうにモックモク。
あるとき、夜空をかける配達屋さんが、煙をすってせきこんで、 配達中の心臓を、うっかりおとしてしまいました。
さすがに視界はこのわるさ、どこにおちたかわかりません。
配達屋さんはさっさとあきらめ、夜のむこうへスタコラサッサ。
ドクドクドクドクドックドク。
えんとつの町のかたすみで、あの心臓が鳴っています。
脚本&監督:にしのあきひろ
参加イラストレーター・クリエイター総勢33名!
日本語/英語併記で最初から世界を狙う
まずね、これは絵本の読み手である妻に指摘されて気付いたことなんですが、「えんとつ町のプペル」は最初から世界を狙ってるんですよ。
どういうことかというと、日本の書店に並んでいる数多ある絵本って、日本語のタイトルしか載っていないでしょ?
でも、プペルは違う。
タイトルはもちろん絵本のページ毎に、(日本語に加えて)英語も書かれてる。
キングコング 西野 オフィシャルダイアリー - PoupeIIe Of ChimneyTown - Powered by LINE
これって、要はいきなり世界を狙える状態ってことでしょ?
ってことはいきなり、絵本界のペンパイナッポーアッポーペンになる可能性があるってことさ。
冷静に考えれば、「ぐりとぐら」とか「わにわにのえほん」だって英語も一緒に描かれていれば、グリム童話級の世界の絵本になっていた可能性があるわけだもんね。
そういうことに気付いて仕掛ける戦略と先見性、さすが、西野さん。
やりおるなw
ハロウィンの季節をターゲットにプレゼント需要を狙う
これも絵本の読み手である妻に指摘されて気付いたことなんですが、「えんとつ町のプペル」、裏表紙にプレゼント用のラベルがあるんですよ。
しかもね、憎いことにこの絵本の内容はハロウィンのこの時期をターゲットとしてる。
ということは、ですよ。
ハロウィンシーズンになればこの絵本が売れるという流れができる、可能性がある。
さらに。
西野さん自身が「毎年ハロウィンパーティーで荒れた渋谷をきれいにするボランティアのトップ」という看板があるから、世界に向けて「同情するなら本を買え」と訴えることもできる、下地がある。
キングコング 西野 オフィシャルダイアリー - どうなる!?今年のハロウィン! - Powered by LINE
今まで、これほどまでに特定の時期・季節をターゲットにした絵本ってありましたか?
こんなに販売戦略に伏線がある絵本なんてありましたか?
「そうか、だからキングコング西野さんは数年前から渋谷の街を・・・?!」
「そうか、だから絵本のストーリーも日英併記で・・・?!」
鼻の下を得意げにさわる西野さんが目に浮かびますw
さすがすぎるぜ、こんちくしょう!
まとめ:「絵で魅せる本、それが絵本」という世界観
まとめましょう。
ぼくは今まで絵本といえば、絵の横に大きな文字があって親がその文字を読みながら、子どももそれを目で追いながら絵を見る、というものだと思ってました。
でもね、この「えんとつ町のプペル」は違う。
えんとつ町のプペル~pupel of chimneytown~
まずね、圧倒的に文字が小さい(日本語/英語併記の文字ね)。
誤解を恐れずに言えば、読みづらい。
間違いなく、本を読んでてもフォントが小さすぎて子どもは文字見えないですよ。
となると、子どもはどうなるか。
ずばり、絵に没入するんです。
あの、圧倒的に繊細なタッチで細部まで磨き込まれた絵にね。
この本は、新しい絵本の概念を作ろうとしていますよ。
「絵で魅せる絵本、それが絵本」。
キングコング西野さんの販売戦略はあくまでおまけ。
絵本として本物、おすすめですよー。
ほんだらのー!