■共働き手取り月72万でも、予期せぬ妊娠で動揺
●家族構成(3人家族)
会社員Tさん(47)/妻42歳(会社員)/長男4歳
●手取り収入(月) 夫:41万8000円/妻:22万7000円/家賃収入:8万円
●貯蓄 900万円
「もう一人生まれるのですが、やっていけるのでしょうか」
心配そうな表情でTさん(47)が奥さん(42)と、保育園に通っているお子さん(4)を連れて相談に来ました。Tさんご夫婦ともに会社員で、奥さんは妊娠5カ月です。
「家を購入するときに、ファイナンシャルプランナーにライフプランを見てもらい、子どもが1人なら住宅ローンを返しながらでも金銭面はぎりぎり大丈夫だと言われました。それなのに予定外に子どもができてしまって……」
4歳のお子さんについては中学校から私立に入れたい希望で、今から幼児教室に通わせ、勉強をさせています。その希望がかなうかどうかも心配ですし、定年後に第一子が大学進学。年齢的にも、老後資金と教育費の両方を準備するのは厳しいと考えています。
Tさんの手取り収入は41万8000円。奥さんは手取り22万7000円ほどに加え、独身時代に購入したマンションの家賃収入8万円があり、1カ月の総収入は72万5000円です。貯蓄は住宅の頭金で使ったので減りましたが、ご主人600万円、奥さん300万円の総額900万円あります。
私から見ると、所得も高いのでまだまだ備えていく余力があると思えるのですが、Tさんご夫婦は違いました。将来に向けてのお金について、心配でならないのです。
「住宅ローンもありますし、産後は育児休暇を取らず、産前産後休暇だけで職場復帰しようと考えています」
と奥さんは言いますが、やはり数字上はそんなに切羽詰まった状況ではありません。
現在の家計の状況から、「焦る原因」を探ってみると――。
■温泉旅行に毎月7万、食費8.5万 教育費8.9万
毎月の貯金6万6000円以外は入ってきたお金を使っているので、全体的に支出は多いと言えます。中でも際立って目立つ支出は、娯楽費と小遣いでした。
仕事のストレス発散と家族の交流の時間を作る目的で、夫婦の休日を合わせ、近場の温泉に出かけるのが習慣です。交通費やお土産などを含めると、一度行くと7万円ほどかかる大きな支出です。
また、交際費を多く含んでいるというご主人の小遣いが10万円。そのほか、3人家族には高めな食費(8万5000円)、無認可保育園の保育料と2つの幼児教育教室を合わせた教育費(8万9000円)が目立ちます。72万5000円もの収入でひと月に残るお金が6万6000円前後(貯金)では、もう一人お子さんが生まれた後の生活や資金作りが心配になるのも当たり前です。
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