元々、文化体育観光部の長官は外部から迎えることが多い。責任を負う仕事はあまりなく、手柄をつくり、顔を売るのにうってつけのため、政治家が特に好むポストだ。だがそうだとしても、この2年のように長官と2人の次官の3人全てが外部者だったことはなかった。劉長官の後任の金鍾徳(キム・ジョンドク)長官は崔順実氏に近いチャ・ウンテク氏の大学院時代の恩師だ。また、今年6月まで教育文化首席秘書官を務めていた金尚律(キム・サンリュル)氏はチャ氏のおじに当たる。最近になって予算が急増した文化体育観光部傘下・韓国コンテンツ振興院の院長も、チャ氏と非常に親しい。「陰の実力者」の私的なネットワークが、省庁の一つを完全に乗っ取ったような格好だ。
彼らがどのように文化行政を牛耳っていたのか、どんな利権を得ていたのかを一つ残らず明らかにすべきだ。文化体育観光部の公務員たちの間には、敗北主義や「なるようになれ」という自暴自棄な雰囲気が広がっているという。どのみち所信など望むべくもない。上部の顔色をうかがわないわけにはいかず、どこか相談する先もない。そんな状況で、現政権が提唱する「創造融合文化」を目指す公務員がいたら逆に不思議なくらいだ。