【萬物相】「影の実力者」に占領された韓国文化体育観光部

【萬物相】「影の実力者」に占領された韓国文化体育観光部

 先日、韓国文化体育観光部(省に相当)を退職した元幹部たちによる昼食会の席で、ふとした拍子に「清日(日清)戦争」が話題になったという。1894年、清と日本が北東アジアの覇権をめぐって戦争を起こした。朝鮮は当事国でなかったにもかかわらず、戦場になったせいで国土が荒れ、百姓が死んだ。「清日戦争論」は、政治の介入と「影の実力者」の影響力行使で満身創痍(そうい)になった同部の現実を指す比喩だった。ある出席者は「どうして文化体育観光部がこんなことになったのか」とため息をついた。

 文化と芸術の発展に関する長期計画の樹立を担う文化体育観光部で「三族を滅ぼす」「島流し」「粛清」といった物騒な言葉が飛び交うようになったのは、一昨年のことだった。当時の劉震竜(ユ・ジンリョン)同部長官が後任も決まっていない状態で更迭された後、同部に人事異動の嵐が吹き荒れた。高官6人が辞表を強要され、このうち3人の辞表が選別受理された。いずれも劉長官の信任が厚かった室長や局長だった。課長級でも要職にいた多くが傘下機関に異動させられた。その数が多かったため、職員の間では「もう島流しにする先がない」とささやかれていた。

 兆候はその1年前からあった。朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人女性で現政権の「陰の実力者」と呼ばれる崔順実(チェ・スンシル)氏の娘が全国乗馬大会で準優勝すると、判定が物議を醸した。監査結果の報告を受けた大統領は、担当公務員たちを「悪い人たち」と呼び、更迭を指示した。そのころ、キム・ジョン漢陽大学教授が突如として国政の広報とスポーツを管轄する文化体育観光部第2次官に就任した。彼は第1次官の所管業務の観光を自分の下に移すなど組織と人事をかき乱し、「虎の威を借る狐」とも言われた。昨日、彼が崔順実氏を「会長」と呼び、人事問題などを相談していたと報じられた。

金泰翼(キム・テイク)論説委員
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