韓国 検察が大統領府高官らを強制捜査

韓国 検察が大統領府高官らを強制捜査
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韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領が、公職に就いていない知人に政府の内部資料を渡していた問題で、検察は、大統領府高官らに対する強制捜査に踏み切り、パク大統領を取り巻く状況は厳しさを増しています。
この問題は、パク・クネ大統領が、長年の知人で女性実業家のチェ・スンシル(崔順実)氏に、演説の草稿や政府の内部資料を渡していたもので、大統領府の文書管理を徹底するよう定めた法律に違反していた可能性があるほか、チェ氏が内政や外交に深く関与していたという見方が広がっています。

調べを進めている検察は29日、大統領を補佐する秘書官や行政官、それに文化体育観光省の高官など、合わせて7人の自宅を捜索しました。また、このうち2人に関しては大統領府内の執務室にある資料の提出も求め、大統領府側がこれに応じたということです。

チェ氏は内部資料を主にインターネットを通じて受け取っていたもようですが、大統領府の職員が外部にメールなどで資料を送ることは厳格に制限されており、誰がどのような方法で資料を送ったのかが大きな焦点です。

この問題をめぐり、パク大統領は28日、10人いる首席秘書官全員に対して辞表を出すよう指示し、人事刷新によって態勢を立て直そうという構えです。しかし、パク大統領の支持率は最新の調査で14%と就任以来最も低くなっており、大統領を取り巻く状況は厳しさを増しています。

市民の反応は

パク・クネ大統領をめぐるこの問題について、韓国では、大統領本人の責任を追及すべきだという批判的な声も上がっています。
このうち、ソウル市内で話を聞いた60代の女性は、「パク大統領が知人の女性の操り人形になってしまっているとは、国民をばかにしているもので、がっかりした。よい政治をしてくれる大統領に交代しないといけない」と話していました。
また、50代の男性は「今の韓国は経済状況も厳しく、安全保障や外交の面でも課題がある。そうした中で起きた今回の問題をどのように解決したらいいのか、私自身はわからない。ただ、大統領が下野したり弾劾したりすると、政治的な空白が生じるのでよくないと思う」と話していました。