ソウルで大規模な抗議集会 大統領への批判高まる

韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領が公職に就いていない知人に政府の内部資料を渡していた問題で、29日夜、ソウル中心部で大規模な抗議集会が開かれ、パク大統領への批判がさらに高まっています。
この問題は、韓国のパク・クネ大統領が長年の知人で女性実業家のチェ・スンシル(崔順実)氏に演説の草稿や政府の内部資料を渡していたもので、検察が大統領府高官らに対する強制捜査に踏み切る事態になっています。

こうした中、パク大統領に抗議する集会が全国各地に広がっていて、このうち、29日夜、ソウル中心部で開かれた集会には、主催者の発表でおよそ2万人が参加しました。この中で、あいさつに立った野党の国会議員は、「事実を明らかにして責任者を処罰し、二度と同じことが起きないようにすべきだ。しかし、パク大統領がとどまっているかぎりそれは期待できない」と訴えました。
このあと、参加者たちは「早く権力を明け渡せ」などと声を上げながら、大通りをデモ行進し、パク大統領の退陣を求めました。

集会に参加した女性は「公職に就いていない人が国を思うままに動かしていたことが常識的に理解できない。政治を元どおりに戻すことが最優先だ」と話していました。

パク大統領は、人事の刷新を打ち出すなどして、態勢の立て直しを図ろうとしていますが、支持率が過去最低の14%となるなど、批判の声がさらに高まっていて、混乱が収束する見通しは立たないままとなっています。