韓国観光業界にブーメラン、中国が「韓国激安ツアー」取り締まり

中国地方政府「訪韓団体客を20%減らせ」

 昨年の訪韓中国人客数は598万人に達し、今年は800万人まで増えると期待されていた。昨年、中国人客の訪問先1位(793万人)だったタイでは今年8月、政府が「これまでで最も厳しい安値旅行の取り締まりを実施する」と宣言し、大々的な摘発に乗り出した。

 中国政府の措置により、当面は中国人客の韓国訪問が減ると予想されることから、免税店や化粧品など中国人の特需を当て込む業界は緊張している。ロッテ免税店の関係者は「団体客が減れば売り上げへの影響が大きいため、年末までの(免税店でのショッピングを含む)観光商品予約率など関連数値に目を光らせている」と伝えた。

 また、「雪花秀」「ラネージュ」など中国人が好む化粧品ブランドを多く抱えるアモーレパシフィックの関係者は「措置が現実化すれば、中国現地での販売強化といった対策を講じる必要がありそうだ」と話している。

■THAAD配備の「報復」との見方も

 中国政府の措置をめぐり、一部では米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備決定に対する「報復」の可能性も提起されている。韓国外交部(省に相当)傘下、国立外交院のキム・ハングォン教授は「台湾の蔡英文総統が就任した後に台湾を訪れる中国人客が3分の1に急減したことを踏まえると、今回の措置の背景にもTHAADに関する中国政府の政治的意図があると解釈できる」と説明した。

 当面は中国人客が減ると予想されるものの、これを韓国安値ツアーの根絶の契機にすべきとの指摘もある。慶熙大学のイ・ギジョン教授(観光学科)は「THAADとの関連性はさて置き、今回の措置は従来の安値観光の根絶を促す触媒になるものと期待している」と話した。

ユ・マディ記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓国観光業界にブーメラン、中国が「韓国激安ツアー」取り締まり

right

関連ニュース