2016年10月25日、韓国・朴槿恵(パク・クネ)政権の「影の実力者」とされる崔順実(チェ・スンシル)氏に、朴大統領の演説原稿が公式発表以前に多数渡っていたとの疑惑について、朴大統領が事実を認めついに国民に謝罪した。
24日、閣議や大統領府人事に関する内容まで崔氏が事前に把握していたというショッキングな報道が出て以降、大統領府は沈黙したままだったが、25日午後、朴大統領は大統領府で緊急記者会見を開き「尊敬する国民の皆さん」と発言を始めた。
大統領は冒頭、「最近の一部メディア報道について私の立場を述べるためこの場に立った」とした上で、「崔順実氏は過去、私が困難に陥った時に助けてくれた縁があり、先の大統領選の際、主に演説・広報の分野で私の選挙運動が国民にどのように伝わっているかについて個人的な意見や感想を伝えてくれる役割を果たした」と述べた。また、「一部の演説文や広報物についても、同じ流れで表現などについて助けてもらったことがある」と認めた。大統領就任後も一部の資料について崔氏に意見を聞いたことがあったが、「大統領府の補佐システムが完備されて以降は行っていない」とした。
最後に大統領は、「私としてはもう少し念を入れて準備をしようという純粋な思いからやったことではあるが、理由のいかんによらず、国民の皆さんに心配を掛け驚かせ、心痛を抱かせた点は申し訳なく思う」とし、「国民の皆さんに深くおわびする」と頭を下げた。
会見直後から韓国の報道はほぼこの話題一色となり、インターネットのリアルタイム検索ワードランキングでは「弾劾」「下野(げや)」「朴槿恵/弾劾」などの語が一気に上位に並んだ。各記事には韓国のネットユーザーから数千あるいは万を超えるコメントが集まっているが、数万のコメントの中で多数の共感を得ているのは次のような声だ。
「おばさん、もう罰を受けてください」
「謝罪で終わるだろうと安易に考えてるんだな」
「いいから弾劾しようぜ」
「弾劾されて退くか自分から辞めるか2つに1つだ」
「結局は操り人形だったってこと?」
「終わりだな」
「実質的な女王は順実だったのか。これが本当に国なのか?」
「占い師が統治する国…」
「その謝罪文も崔順実が書いてくれたの?」
「親しい仲じゃないと言ってたのに、うそだったのね」
「うそが全部ばれてようやく認めたか。それで下野はいつするんですか?」
「報道がなかったらうそをつき通してたはず。キャー恐ろしい」(翻訳・編集/吉金)