韓国裁判所 北朝鮮収容所の家族に対する救済請求を却下

【ソウル聯合ニュース】韓国に居住する北朝鮮脱出住民(脱北者)が北朝鮮の収容所にいる家族を救済してほしいと韓国の裁判所に保護を求めたが、管轄権がないとの理由で却下された。


 ソウル中央地裁は26日、脱北者2人が北朝鮮・咸鏡南道の耀徳政治犯収容所に入れられている家族4人の人身保護請求を却下したと明らかにした。

 却下は訴訟・請求が不適法だったり要件を満たさなかったりした場合、審理せずに裁判を終えること意味する。

 脱北者2人は、今年7月に家族に対する北朝鮮国家安全保衛部(秘密警察)による違法な収容をすぐにやめるよう命じてほしいと、裁判所に保護を請求した。

 訴訟を主導した市民団体「自由統一脱北団体協議会」は「憲法上、北朝鮮も韓国の領土であり北朝鮮住民も韓国住民だ」と主張した。

 これに対し裁判所は事件を審理する管轄権があるとは言えないと判断した。

 人身保護法第4条は「救済請求を審理する管轄裁判所は非収容者や収容施設の住所、居住地または現在地を管轄する地裁または地裁支部」と定めている。

 また、裁判所は「人身保護法は収容が違法かどうか判断するため関係者を呼ぶなど各種審理手続きを定めているが、北朝鮮で収容されている住民についてこうした手続きを踏んで裁判を行うことは事実上、不可能だ」と指摘した。

 一方、裁判所は1959~84年の帰国事業で北朝鮮に渡り収容所に入れられたとする在日コリアンおよび日本人9万3340人とその家族を対象に人身保護を求めた日本人の請求も却下した。

 この日本人が収容者の氏名や収容場所を特定できず、請求資格がないと判断した。

 ソウル地裁関係者によると、北朝鮮の収容所に関する人身救済の判断が出たのは今回が初めてだという。

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