あらすじ:転居先で幸せな生活を送っている夫婦サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン(レベッカ・ホール)の前に、サイモンの高校時代の同級生だというゴード(ジョエル・エドガートン)が現れる。再会を祝いゴードは1本のワインをプレゼントし、その後もたびたび二人を訪ねては贈り物をし続ける。次第にその内容がエスカレートしていき、二人が違和感を抱くようになると、周囲で異変が生じ……。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:108分 製作年:2015年
監督・脚本・プロデューサー:ジョエル・エドガートン
キャスト:ジェイソン・ベイトマン / レベッカ・ホール / ジョエル・エドガートン / アリソン・トルマン / ティム・グリフィン / ビジー・フィリップス / アダム・ラザール=ホワイト 等
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衝撃のギフト(結末)を約束するサイコスリラー!
前から楽しみにしていた【ウォーリー】【ブラック・スキャンダル】などで好演を見せた、俳優ジョエル・エドガートン初監督作品【ザギフト】を観て来ました。
本来は何も知らずにとりあえず観て欲しいところですが、いつものように結末のネタバレを避けた感想は、
まんまとヤられた〜!エグっ!!
確かに海外の映画評価サイト『ロッテントマト』の高評価も頷ける、今年を代表するサイコスリラーの良作でした!邦画が豊作だけど。
プロットはいたってシンプル。仕事の都合で引っ越して来たサイモン&ロビン夫婦は、街でサイモンの高校の同級生ゴードと再会する。ゴードは再会と今後の親交の印に夫婦にギフトを送る。贈られ続けるゴードのギフトが次第にエスカレートして行き… 的な話。
ここ最近なら【クリーピー 偽りの隣人】【ヒメアノ〜ル】【淵に立つ】などの邦画に目立つ、割とありがちな『恐怖の隣人モノ』や『日常を侵食する恐怖モノ』の系譜でありながらも、
シンプルなプロット、驚かし演出、不安を煽る音の使い方、前フリとミスリード的匂わせ、語り過ぎないスマートな見せ方など、1つ1つの質がなにげに高い!
特に、驚かしシーンでは数人の「ひぃっ!」という息を飲む悲鳴が聞こえる程。あれは体もビクっ!となるわ!個人的には『物音』が怖くなりました。
ギフトを送る行為の意味
本作、要の『ギフトを送る』という行為の意味は、感謝やお礼の意ではなく『等価交換』として用いられていた。与えられたモノと同等のお返しをするというギフト(贈り物)の通例を活かしたホラー演出でありサイコ演出ですね。
何もないところからギフトは生まれない。このふと湧いて出た怪しい男ゴードに対して、夫婦はすでにあるギフトを贈っていたのだ。本人たちは知る由もなく。
ギフトを通して送る側と受け取る側の関係性・その関係性から見えてくる過去・その過去から浮かび上がる人間の本質が、連鎖し徐々に浮かび上がってくる。
「酷い!」と思ってしまう関係なさそうに見えた被害者も、等価交換ということを考えると、それも当然の報いであるのかな。『奪う恐怖』よりも『与える恐怖』ってのがなんとも新鮮でした!
サイコスリラーでギフトが出てかさて、しかもポスターでゴードが持ってる箱を見ると【セブン】のラストを連想する人もいるんじゃないかな?
今や名作とされてる【セブン】の衝撃に匹敵するといっても過言じゃないラストが、最低最悪のギフトとして用意されてました。
思わず、起こった現実に目を背けたくなるレベルで言うと、度肝を抜かれた【淵に立つ】に通じる『嫌さ』がありました。でも不条理ではない分飲み込みはしやすい。
注目監督の一人に躍り出たジョエル・エドガートン!
奥さんのロビンを演じた『浮かない顔演技』が秀逸なレベッカ・ホールがタイプ過ぎて、実質主役の彼女を堪能できたので大満足です。【アイアンマン3】にも出てたのには気付かなかったな。
目に光が宿ってないゴードを演じたジョエル・エドガートンも良かったなぁ。自分に当て書きしてるのもあってハマり役ですな。無言の時とか怖すぎる。
監督としても本作がデビュー作なのに素人臭さや辿々しさを一切感じさせず、『後味の悪い抜けの良い作品』としてアウトプット出来た、手腕にますます彼のことを好きになりましたね。彼の変態性も伺えたし。
これからも彼の生み出す、この手のサイコスリラーが年1で観たくなるほど、パット見地味そうに見えて意外にもパンチ力のある作品でした。
まとめ
評価:★★★★★ 最高!フォーー!
本作、早い段階で結末が分かってしまう人も多いみたいで、日本の映画レビューサイトでは『ロッテントマト』ほど評価は高くありませんが、僕はまんまと踊らされました!
「暴いてやろう!」的なスタンスでも無くぼけーと観てるので。この手の映画は踊らされたもん勝ちみたいなところもあるので、むしろ気持ちが良い!あざす!
傑作とまでは行かないけど、周りの人にオススメしたくなる作品でした!
※今回から『良かった点/悪かった点』を書くのをやめました。結局上の感想と重複しちゃうので。
[ 予告編 ]
関連&オススメ作品!
セブン
ヒメアノ〜ル
淵に立つ
今回の感想で入れられなかった一言:
番犬だけじゃなくSECOM的なやつ入ろうぜ!