東京医科大学病院(東京都新宿区)で4月、レーザー手術中に出火し女性患者が大やけどをした事故で、同病院は28日、患者の腸内ガスがレーザー照射で火がつき、手術用の布(ドレープ)に燃え移った可能性が高いとする外部の有識者の調査報告書を公表した。
火災は4月15日、事故当時30代だった女性患者が子宮頸部(けいぶ)にレーザーを使った手術を受けているときに発生。患者が腰回りや足の広範囲にやけどを負った。
外部調査委員会による検証実験をふまえた報告書によると、手術室内に可燃性物質はなく手術機器も正常に作動していたという。このため、「手術する空間に腸内ガスが入り込んだ状態でレーザー照射により着火、燃焼が広がって最終的にドレープへの着火に結びついた」との判断をまとめた。ただ、腸内ガスを使った厳密な再現実験などができないことから、「可能性の域を脱することができない」とした。
調査委のレーザー装置の製造元への聞き取りでは、国内外で同様の事故の報告はないという。
同病院の産科・婦人科では同じ手術を中止している。担当者は「今後は報告書を踏まえて対応する。患者には誠意を持ってあたっている」としている。
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