NetBSD/macppcを入れてみる

NetBSDの公式サイトはこちら
インストールするNetBSDのヴァージョンは3.0です
あらためてiMacのスペックを紹介
PowerPC G3 266Mhz, RAM 128MB, HD 6GB

インストールの手順はこのガイドにしたがいました(英語です)
それでは、ゆるゆる〜といってみましょう

ハードディスクの初期化とパーティションの設定

当然ながら、ハードディスクの中身はすっかり消去されますので、バックアップをお願いいたします
「ドライブ設定」で初期化します
ヴァージョンは1.8.1以降です。私はOS9付属ので1.9.2を使用しました
OS9のインストールディスクをキーボードの「C」を押しながら起動します
ドライブ設定の初期化でカスタム設定を選択し、ディスクを分割します

パーティション概要:4パーティション
タイプ:MacOS拡張 500MB
タイプ:A/UX ROOT 1000MB
タイプ:A/UX Swap 128MB
タイプ:A/UX User 4521MB
以上の設定で初期化します

デスクトップには「名称未設定」のディスクがひとつだけ現れますので、これを「macos」という名称に変えます
ディスクを交換して、もともとiMacの付属だったOS8.5のシステムをインストールします
(細かいことですが、ひとつのOSは一台だけにしかインストールできない決まりがあるので)

必要なファイルをダウンロードする

MacOSを起動して最初にすることは、インターネットに接続して必要なファイルをダウンロードできる環境を設定することです

NetBSD3.0のインストールに必要なファイルは以下の4点です
pdisk (ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD/arch/macppc/macos-utils/pdisk.sea.hqx)
ofwboot.xcf ( ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD/NetBSD-3.0/macppc/installation/ofwboot.xcf)
netbsd-INSTALL.gz ( ftp://ftp.NetBSD.org/pub/NetBSD/NetBSD-3.0/macppc/binary/kernel/netbsd-INSTALL.gz)
SystemDisk (ftp://ftp.apple.com/developer/macosxserver/utilities/SystemDisk2.3.1.smi.bin)

pdiskを起動します(FATまたはppc)




「L」を入力すると、パーティションマップが表示されます


#7 macos
#8 A/UX Root
#9 Swap
#10 A/UX Usr file system
この#7~10が重要なのでしっかり確認してメモっておいてください
(ドライブ設定での操作しだいで別の番号になることもあります)
pdiskの役目はこれで終わりです

ofwboot.xcfとnetbsd-INSTALL.gzをハードディスクの最上層におきます(デスクトップでは駄目ですよ)


OpenFirmwareを確認する

マックが起動する手順はこうなっています
電源オン > OpenFirmwareが起動 > MacOSの起動

OpenFirmwareは上書きが可能なので、NetBSDのような別のOSも起動させられます
電源オン > OpenFirmwareが起動 > ofwboot.xcfをロード > netbsd-INSTALL.gzを起動(NetBSDの起動)

OpenFirmwareはPCにおけるBIOSみたいなもので、普段はお目にかかることはありません
ではOpenFirmwareを確認してみましょう

マックを再起動させます
起動音が鳴ったらすぐにcommand-option-o-fのキーコンビネーションを押し続けます
Apple iMac Open Firmware...という文字が現れたらOKです
「0 >」というプロンプトがでているので、そのまま「mac-boot」と入力しリターンキーを押せば通常のMacOSが起動します

さてここからは自己責任の世界です(^^;

NetBSDのインストールノートにはかなり怖いことが書いてあります
OpenFirmwareの不適切に書き換えた場合、最悪マックは修理が必要になるとか
またファームウェアを最新のものに更新すべし、とも指示しておりますが、これも特には更新しませんでした
各自のご判断にお任せいたします

それではゆるゆる〜と続きを行きましょうか?

OpenFirmwareを上書きする

OpenFirmwareは書き変えられますが、元に戻すこともできます
PRAMをクリアすれば、OpenFirmwareは初期設定に戻せます
PRAMのクリアは、起動音が鳴ったらすぐにcommand-option-p-rのキーコンビネーションですよ

OpenFirmwareの書き換えは直接画面を見ながらもできますが、日本語キーボードでは「¥」がうまく出せないので、SystemDiskを使う方が楽です


systemdiskを起動したら、「より細かいオプション」をクリック


あらわれた画面で「OpenFirmwareのプロンプトで起動を止める」にチェックをいれて、「OK」で元に戻ります


右下の「保存」ボタンを押します。これで起動を途中で止める設定がOpenFirmwareに上書きされました
ではマックを再起動させてみましょう
OpenFirmwareの初期画面で起動が止まりました
ではここからMacOSを起動させてみましょう
プロンプトに続けて、「mac-boot」と入力しリターンすれば、通常の起動が始まります
このままでは毎回起動が途中でとまるので、PRAMをクリアしておいてください

さて、ここから先は一気にNetBSDのインストールまで突っ走ります
くれぐれも「自己責任」ということを肝に銘じておいてください
最愛のiMacが壊れても私は一切関知いたしませんので、よろしくご了解ください(^^;

今度はNetBSDのインストールカーネルを起動させます
systemdiskを起動したら、「より細かいオプション」に進みます
「手動で設定」をチェックすると、コマンドが入力できるようになりますので、半角英数字で入力します

起動コマンド:
boot ide0/disk@0:7,\ofwboot.xcf netbsd-INSTALL.gz

コマンドの「disk@0:7」の部分はpdiskで確認したパーティションマップの番号が入ります
半角スペースが入るのは「boot」「ofwboot.xcf」のあとだけです
それ以外の部分に不要な半角スペースは入力しないでください
「\」は「¥」です



「OK」して「保存」です
ではマックを再起動してみましょう
NetBSDのインストールカーネルが起動するはずです

NetBSDのインストール

カーネルが起動しなかった不運なかたはこのガイドを参照してください(英語です)

カーネルが起動すると、文字がずらずら現れて、
Terminal type? [vt100]
というところで停止しますが、ここでリターン
(I)nstall, (S)hell or (H)alt?
というように選択を訊いてきますので、「i」を入力してリターン

a: Installation messages in English
当然英語を選択

NetBSD-3.0 Install System
a: Install NetBSD to hard disk
b: Upgrade NetBSD on a hard disk
c: Re-install sets or install additional sets
d: Reboot the computer
e: Utility menu
x: Exit Install System

最初に「e: Utility menu」を選びます(矢印キーで選択反転、リターン)

a: Run /bin/sh
シェルを起動させます

画面左下に「#」のプロンプトがあらわれますので
# disklabel wd
というのを入力実行

ディスク情報やらパーティションマップが表示されます
そこでファイルタイプが「4.2BSD」のものをフォーマットします(たぶんaとgのはずです)

# newfs /dev/wd0a
# newfs /dev/wd0g

ファイルをマウントして、fstabを書き込みます
# mnt /dev/wd0a /mnt
# mkdir /mnt/etc
# cat >/mnt/etc/fstab
/dev/wd0a / ffs rw 1 1
/dev/wd0b none swap sw 0 0
/dev/wd0g /usr ffs rw 1 2

control+u 一行すべて消せます
control+c すべて破棄してやり直せます
control+d ファイルを保存して終了します

# mkdir /mnt/usr
# cd /
# umount /mnt
# exit

え〜、実はこのあたりの操作はまったく理解できておりません、ただ指示書どおりにしているだけです(^^;

ファイルシステムの準備ができたら、いよいよシステムのインストールです
メインメニューまでもどったら、

c: Re-install sets or install additional sets


再インストールと追加を選びます

「本当にインストールしたいのか」しつこく訊かれるのですが、「yes」です

フルインストールとカスタムが選べるのですが、わからんのでフルインストールします

「インストールの詳細を見るか」はどれでもいいと思います

インストールメディアの選択
CD-ROMとかいろいろ選べるのですが、私の場合はFTPです

I have found the followint network interfaces : bm0
Which device shall I use? [bm0]
初期値のままで問題ないと思います

To be able to use the network, we need answers to the following:
Network media type [autoselect]:
Your DNS domain : mytest.net
Your host name : iMac
Your IPv4 number : 129.168.1.23
IPv4 netmask [0xffffff00]:
IPv4 gateway : 192.168.1.1
IPv4 nameserver: 192.168.1.1

IPv6はよくわからないのでautoconfigurationはnoです

ネットワークの設定はややこしいのですが、ドメインとホストネームは適当で大丈夫です(本格的なネットワークを組んでる人はそれにしたがって設定してください)
私の場合はADSL環境で、ルータがDHCPを使っていますので、それの範囲外のアドレスを使いました
ルータのプライベートアドレスは192.168.1.1なので、gatewayとnameserverにはそのアドレスを指定しました
場合によっては、プロバイダのnameserverを指定した方がうまく行くかもしれません

What directory shall I use for ftp? [/usr/INSTALL]
初期値のままでOKしますと、接続先のホストなどが表示されます

ftp.NETBSD.org

このままで問題ありませんが、ミラーサイトのほうが早いので変更します

Change
a: host
を選択して「ftp.dti.ad.jp」に変更します
設定が完了したら、ディストリビューション(システム)をゲットです

g: Get Distribution

回線速度にもよりますが、15分くらいでダウンロードと解凍が終わります

さきほどのネットワーク設定をこのマシンの正式な設定にしてよいか?
と訊いてくるので、とりあえずOKしときます

ダウンロードした元ファイルはどうするか?
と訊いてくるので、これも削除します

シングルユーザーだよ
という忠告を受け止めたら、トップメニューにもどります

まだ少々やることがありますので、再び
e: Utility menuを選択して
a: Run /bin/shを実行します

# mount /dev/wd0a /mnt
# cd /mnt/dev
# sh MAKEDEV all
# cd /
# umount /mnt
# exit

これもなんのための操作なのか、まったくわかってないです(^^;
必要だから、言われた通りやってます

あとはOpenFirmwareを再設定して、いまインストールしたシステムを起動するようにします
トップメニューから
d : Reboot the computerを実行して、command-option-o-fのキーコンビネーションでOpenFirmwareのプロンプトを呼び出します

いつもNetBSDが起動するように設定

OpenFirmwareのプロンプトがでたら、mac-bootでmacOSを起動させます
再びsystemdiskを起動したら、「より細かいオプション」に進みます
もう一度、pdiskでパーティションマップを確認しても構いませんよ
ofwboot.xcfがあるのは拡張HFS領域
/netbsdはさきほどインストールしたルートパーティション
番号をまちがえないように

起動デバイス:
ide0/disk@0:7,\ofwboot.xcf
起動ファイル:
ide0/disk@0:8,/netbsd
起動コマンド:
boot


それではマックを再起動いたしましょう
感動の一瞬、見事にNetBSDが立ち上がりました、よね(^^;

起動の途中でストップすることもよくあるのだそうです
順調に起動したら
/etc/rc.conf is not configured. Multiuser boot aborted.
Enter pathname of shell or RETURN for /bin/sh:
と表示されますので、ここでリターンです

# /sbin/mount -u -w /
# mount /usr
# export TERM=vt100

わけのわからない呪文ですが、この通り入力してください
日本語キーボードだと「=」の位置が変わっていて「へ」のキーで出せます

# vi /etc/rc.conf
「vi」というエディタで「rc.conf」というファイルを修正します
以下はviにさわったことのない人向けのガイドです

viの画面になったら、「J」のキーでカーソルを下げていきます
18行あたりに
rc_configured=NO
という行までいったら、「L」キーで行末まで移動します
カーソルは「NO」の「O」に重なっているはずです
そこで「X」キーを2回おすと、「NO」が消えてカーソルは「=」に重なっているはずです
「A」キーで入力状態になるので、「YES」と入力してエスケープキーを押してください
シフト+「Z」2回で保存終了します

修正作業が終わったら
# reboot
これで再起動します

「login :」が表示されたら、無事にマルチユーザモードになりました
まだアカウントはありませんので、rootでログインします

Welcome to NetBSD!

う〜ん、やりましたね、これで輝かしいpc-unixライフの幕開けです

私はmac68kでpc-unixに入門しましたが、そのさいバイブルのごとく何度も読み返したのがこの本です
Macユーザーに捧げる悪魔の書 NetBSD/mac68k徹底入門(神山文雄著 翔泳社)

というわけで、「NetBSD/macppcを入れてみる」はこれで終了です、お疲れさまでした
入れただけですからね、「使ってみる」篇はいつになるかわかりません(いろいろ勉強しないとね)

最後にひとつだけ
デリートキーが正常に動作しないと思います、「^H」こんなのでてきませんか?
# stty erase '^h'
これを実行すれば、以降は正常になると思います
「'」は「け」のキーで出ます
「^H」はcontrol+hです

もうひとつ、電源オフはこれです
# shutdown -p now


(2006/7/17)

戻る