10月22日、上坂すみれのトークイベントが東京・損保会館 404~405号室と中野サンプラザ 研修室10で行われた。
両イベントは9月28日に上坂の既発のシングル全7枚がアナログ7inch化されたことを記念して行われたもの。まずディスクユニオン主催で2回にわたって行われた損保会館のイベントで彼女は、上坂が声優として出演する映画「ガールズ&パンツァー 劇場版」を8回鑑賞し、2月に東京・中野サンプラザホールで行われた彼女のライブを観に行ったと語る、ディスクユニオンチェーンのオーディオ機器専門店・オーディオユニオンのスタッフとトークを繰り広げた。
アナログプレーヤーから流れ出すデビューシングル曲「七つの海よりキミの海」に乗って、上坂ファン、通称“同志”やオーディオマニア、アナログコレクターの集まる損保会館に元気よく現れた彼女だったが、「実は私、アナログプレーヤーを持ってないんです……」と不安げな表情。さらにオーディオユニオンスタッフから、この日用意されたDENONのアナログプレーヤー・DP-1300MKIIとプリメインアンプ・PMA-2500NE、そしてBowers & Wilkinsのスピーカー・CM9 S2それぞれの数十万円はくだらない価格を聞かされるや、「そうやって人はオーディオ沼にハマっていくのですね」と、失礼なひと言を交えつつたじろぎまくる。
しかし、高級機器で聴く自身のアナログ盤の音質には「CDよりもクリアだし、滑らかな気がします」と満足げな表情。またオーディオユニオンスタッフからアナログ盤にはレコードごとに33回転と45回転という2つの回転数が設定されており、プレーヤーでそれを切り替えられることを教わると、さっそく45回転の自身のアナログ盤の回転数を33回転に切り替え、突如低音を響かせ始めた自身の声に「蒼井翔太さんみたいなイケメンボイスになった!」と笑顔で驚がく。さらに会場で販売されていたION AUDIOのスピーカー内蔵アナログプレーヤー・MAX LPで自身の楽曲「テトリアシトリ」を再生した際には、そのリズムに乗ってダンスを披露していた。
そしてこのイベントには同志から、上坂が敬愛する昭和の名優・天知茂のベスト盤と、彼女が愛するソビエト社会主義共和国連邦で1980年に行われたモスクワオリンピックで演奏された楽曲集という2枚のアナログ盤の差し入れも。オーディオユニオンスタッフから「アナログ盤を持つときは盤面に指紋を付けないように、人差し指と親指でレーベル付近と盤の外周を挟む」と教わっていた彼女は、これら12inch盤を手にした刹那「大変です! 指が届きません」と慌てるも、いざプレーヤーに乗せたのちには、その歌声とメロディにまたも満面の笑み。よほど気に入ったのか、イベント終了後の来場者への特典のお渡し会の最中もレコードをスピンし続けていた。
一方、中野サンプラザのイベントは同日同会場で行われていた「秋のヘッドフォン祭2016」の一環として行われたもの。オーディオ機器販売店・フジヤエービックが主催し、上坂が小倉唯と共に登場キャラクターの声を務める「アストロガールズ」キャンペーンを展開するDENONのスタッフをコメントゲストに迎え、彼女が好きなアーティストのアナログ盤を試聴するスタイルで行われた。
損保会館と同じDP-1300MKIIとPMA-2500NEの組み合わせに、DALIのスピーカー・RUBICON 6 RUBICON6MRというセットアップの価格に再びおののく。さらに電源ケーブルにもこだわったというDENONスタッフの言葉に「それはオカルトでは……?」と暴言を吐き「科学です」と一刀両断された上坂は、先の教えを忠実に守った持ち方でアナログプレーヤー上の自身の7inchをKraftwerk「Trans-Europe Express」に交換。DENONスタッフからRUBICON 6が女性ボーカルに向いていると聞いたのちには、谷山浩子「ねこの森には帰れない」をスピンして、その音のよさに聴き惚れていた。
その後話題はクルクルと展開し、上坂が「アストロガールズ」キャンペーンの一環として訪れたDENONの試聴室の音質の高さに感動したことを語り、またオーディオ機器の鳴りにこだわった一軒家すら建ててしまいたいと語るDENONスタッフと、自身の耳型にアジャストさせたイヤーモニター型のイヤホンを持参してきている“同志”が複数いることにまたもビビったところでタイムアップ。最後に、彼女がジャケットにあしらわれた奇妙な動物のイラストがお気に入りだと語る、ヘヴィメタルバンド・Riotのアルバム「Narita」を大音量で再生しながら、“同志”諸君とロシア語で万歳を意味する「Ура!」を三唱したところでサンプラザでのイベントはお開きとなった。