幻想万魔殿


魔獣

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アル・ミラージュ
北アフリカと中東のイスラム諸国に登場する生物
超自然的な黄色い野ウサギで額から角が一本突き出ている。
その特徴はヨーロッパの一角獣(ユニコーン等)と同類の物と言える。
麒麟
麒麟は鳳凰と同様にその出現は世界の平和と繁栄の前兆でした。
『准南子』墜形訓によれば、毛皮に覆われた獣の先祖は毛トク(モウトク)と言い
この毛トクから生まれたのが翼のある龍の応龍で、応龍より健馬(けんば)が生まれ
健馬から麒麟が生まれ、麒麟からは毛皮に覆われた全ての獣が生まれたと言うことです。
その為に麒麟は長い毛を持つあらゆる獣の先祖であって、あらゆる長い毛を持つ獣の王で
長い毛を持つ獣でキリンに従わないものはいないと言われてます。
麒麟の姿は、鹿の身体、牛の尾、馬の足、頭に一本の角を持っているとされています。
頭については狼のようだとも羊の様だとも言います。
麒麟は聖なる獣であるため、寿命が長く、2000才の寿命を持っています
麒麟のうち、雄を「麒」といい、雌を「麟」という説があります。
この両者の違いは雄の方が角を持っていないという点です。
この麒麟にはいくつか種類があり、青い物をショウコ、赤い物を炎駒(えんく)
白い物を索冥(さくめい)、黒い物を角端(かくたん)、黄色い物を麒麟(きりん)と言います。
この内角端は一日に9,953km走ることが可能で、あらゆる民族の言葉を話し
あの世の事によく通じていると言われています。
麒麟は性格が温和で、仁を弁えた獣なのです。しかしその様な性格にも拘らず
戦う時は非常に大きな戦闘能力を行使します。
なぜなら麒麟は応龍の血を引いているのです、口からは火を吐くこともできますし
その鳴き声は雷の様な轟音です。その様な鳴き声は凶を払い
妖怪を降伏させる事ができる動物に共通する属性のようです。
ケンタウロス
ギリシャ・ローマ神話に描かれ、後の旅行者の話や
中世ヨーロッパの動物寓話集の中で発展した混成動物
ケンタウロスは馬の胴体と後半身を持ちながら人間の頭と胴を持つ。
この生物の誕生についてはさまざまな説があり
神々の女王ヘラとイクシオンが交わって生まれたとも
アポロンの息子ケンタウロスとマグネシアの牝馬スティビアが
交わって生まれたとも言われた。
また、生息場所についてはテッサリアのエリュマントスの山か
クリュオンの田園であると言われた。
ケンタウロスは総じて親切で優しく、公正で寛大で賢い。
だが一方で俗悪で喧嘩好き、酒に弱く悪酔いして暴れる等の欠点もあり
それが災いしてさまざまな場面で破滅を招いている。
名高いケンタウロスにケイロンやポロスがいる。
ケイロンは博識で聡明であり、ことに芸術と医術に秀でていたので
イアソンやテセウスなどの英雄の教育係に神々から選ばれていた。
ケイロンが事故で死ぬと、神々の王ゼウスは、彼を射手座として天に据えた。
また半人半獣の怪物はこの他にも、竜と人間の半人半獣ドラコケンタウロス
牛と人間のブケンタウロス、ロバと人間のオノケンタウロス、獅子と人間のレオケンタウロス
魚と人間ののイクテュオケンタウロス等がそれです
こうした物と本来のケンタウロスを区別するために、『ヒッポケンタウロス』
という呼び方をする事があります
ちなみに文献の中にはフォーンのような後ろ足2本が馬という姿で伝えている事もあります。
フォーン
古代ギリシャの半人半獣ファウヌスの後代の呼び名
山羊の足と蹄を持ちながら、人間の男の頭と胴を持つ半人間の姿をしている
彼らはサテュロスと同一視されており、自分達の棲む森や野原の
野生動物の守り主である。
グリフォン
グリフォンは、ラテン語でグリュプス(Gryphios)と呼ばれ
その由来は曲がった嘴という意味の言葉Grypsからくるもので
その姿としては一般的なものは鷲の頭と翼を持ち、胴体はライオンですが前脚は鷹です
また、それ以外にも更に尻尾が蛇とするものや、鷲ではなくハゲタカの頭のとする説
はたまたライオンの胴体ではなく牛とする説がありますし
豹の様な斑点があるとも言われています。
アジアに伝わるグリフォンは頭に鶏冠を持っていますが、ギリシャでは鬣(たてがみ)で
馬の耳をしていると言う事になっています。
グリフォンは砂漠や山間の洞窟に棲むと言われ、金を守っていたので
金鉱のある場所によく出現したと言われています。
また、酒の神ディオニソスの飼っていた生物とも言われたため
酒を守る怪物として酒豪などの番人にされました。
グリフォンの起源はインドと言われていて、その姿は紀元前17〜18世紀ごろの
タペストリーに見る事ができます。
紀元前14世紀にはギリシャでも見られるようになりますが
グリフォンを最初に文書にあらわしたのはギリシャの詩人アリステアスで
彼はその詩の中にグリフォンと戦ったアリマスポイ人(一つ目)の事を書き残しています。
ユニコーン
イギリス文学に、頻繁に出没する神聖な生き物として余りにも有名なユニコーンですが
その出自は今ひとつ不明確なものがあります。
それは神話としてではなくドルイド教の民間伝承として伝えられた事にもよるようです。
外見上の特徴は、白い馬の姿をしている事と、一本の真っ直ぐな尖った角がある事です。
更にもし貴方の観察力が優れているならば、その目も知性を称えているのがわかるでしょう。
ユニコーンの力のほとんどは、その角に秘められています。
邪悪な力を払いいかなる病気も治すことができるとされています。
しかも、その力は角だけになっても少しも弱まりません。
それ故にユニコーンを追い求め、その角を手に入れようとする狩人も後を立ちません
しかし、頭がよく警戒心の強いユニコーンは、ある方法を用いなければ
捕まえる事ができないとされています。
その方法とは、ユニコーンが唯一気を許すもの、つまり穢れを知らない乙女を使って
おびき寄せるしかないのです。
ひとたび気を許すと、日ごろ気の休まる暇もないユニコーンは、どっと疲れが出るのでしょう
乙女の膝まくらで眠ってしまいます。また、乙女の言う事だけ聞くと言われています。
こうして捕まえたユニコーンの角は、魔法の薬の材料として
極めて高価に取引されていたのです。
19世紀に至るまでロンドンではユニコーンの角の粉が入った薬と称する物が
本当に売られていたと言います。
しかし、この薬に入っていたものは一角鯨の粉だったと言います。
また一角鯨の角自体もユニコーンの角として取引されていたようです。
ユニコーンに会うのは非常に難しく、よほどの幸運に恵まれるか
神の御加護でもない限り会う事はできないでしょう。
ミノタウロス
ギリシャ・ローマ神話の人型の怪物。
『ミノスの雄牛』を意味し、身体は人間だが巨大な雄牛の頭を持つ。
ミノス王の冶世下クレタ島で、クノッソス宮殿地下深くのある迷宮(ラビュリントス)
に閉じ込められていたとされる。
伝説によれば、ミノス王は神への生贄に捧げる為にとクレタの牡牛を贈られたが
その牛ではなくもっと質の劣る普通の牛を神へ捧げた。
そこで神々は罰として、彼の妻がクレタの牡牛を愛するように仕向け
結果として醜いミノタウロスが生まれた。
非常に凶暴な性格の持ち主で、普段は人間の様に武器で攻撃してきますが
興奮すると、その頭に生える鋭い角を前に突き出して突進してきます。
彼が使う武器は相手に叩き付けるような打撃武器、戦斧、棍棒等で
しかも両手で振り上げるような大型の物を好みます。
ですから楯を使って防御するようなシャレた真似はしません
ミノタウロスは大体は筋肉質の身体をしていますから、もし殴られでもしたら
大怪我所ではすまないでしょう。
ミノタウロスはアステリオーンやアステリオスとも呼ばれます。
ミノス王はこの超自然的な怪物を処分する事ができず、ダイダロスに命じて
迷宮を築かせ、其処にミノタウロスを棲ませ、食料を与えた。
この怪物はカンニバル(食人種)だったため
ミノス王は他国から貢物として若者の生贄を要求した。
その後、英雄テセウスが貢物の囚人と入れ替わって、島に送られた。
彼は王の娘アリアドネから与えられた糸玉の助けを借りて、ミノタウロスを殺し
迷路をたどって迷宮から脱出する事ができたと言う。
アイ・トヨン
シベリヤのヤトーク人に伝わる生物。巨大な双頭の鳥で、鷲に似ている。
巨大な世界樹の頂上に住処があり、其処から人間に必要な光を放つ。
アイトーリアの猪
ギリシャ神話においてカリュドンの猪という名でも知られる巨大な獣
オエリエウスからの生贄がなかった仕返しに、女神アルテミスが
ギリシャのアイトーリア一帯を破壊しようと送り込んだ。
アイトーン
ギリシャ・ローマ神話に登場する有翼の馬
「燃え盛る」あるいは「赤々と輝く」を意味し、ヘパイストスが太陽神ヘリオスの為に作った
金の馬車を引く太陽の馬の一頭である。
他の馬同様純白で、鼻から揺らめく火の息を吐く。
毎朝、時間のニンフであるホーラー達が他の太陽の馬と共に
アイトーンを天空を横切る旅の為に馬車を繋ぐ。
たそがれ時に旅が終わると、馬達はまた翌日繋がれるまで、幸福の島で魔法の草を食べた。
アイラーヴァタ
インドのヒンドゥー教神話に登場するローカパーラエレファントの一頭
其の名は「水の子」を意味するiravatという語に由来する。
背中に大地を乗せて支える16頭の純白な象の一頭である。
世界の東の領域の守護者として其の背にインドラ神を乗せる。
アーウィーソウトル
メキシコの伝承と伝説に登場するカンニバル(食人種)
「水のオポッサム」を意味するが、外見はオポッサムには似ていない。
大きさと姿は犬に似ているが、猿の様な脚をしていて
尾の先端には人間の手がついているという。
まず叫び声で獲物をおびき寄せると、この物を掴むのに適した尾と手を使って
獲物を水際で捕まえたり、その住処である暗い水中に引きずり込んだりする。
漁師達はしばしばこの怪物の餌食になった。
水中の小魚や蛙を飛び跳ねさせて、大きな魚を狙う漁師の注意を
引くというのがその策略だった。
ひとたび漁師がもろい船でその場所に漕ぎ出せば、アーウィソウトルに取って
手のついた尾を船のヘリに伸ばして、引きずり込むのは容易い事だった。
きっかり三日後に目と歯と爪が取り除かれた遺体が水面に浮かぶのを見て
家族は愛する者に何が起こったかすぐに知る。
この生物はトラロック〔雨の神〕の家来だと信じられていたので
そして、葬儀の為に遺体を動かす事ができるのは神官だけだった。
神々への特別な生贄と考えられたからである。
アウヴェコエヤク
グリーンランドやカナダ北部のイヌイットに伝わり、信じられている海の怪物
アイスランドや北欧諸国のマーマン(半魚人)によく似た姿で現れるというが
鱗でなく毛皮に覆われている。
18世紀末にオットー・ファブリキウスがこの海の怪物について書いているが
その際、彼はアウヴェコエヤクとハヴストランベと、その地方に生息する
ステラーカイギュウとの関係が偶然以上のものだと推測した。
しかし、この地方のイヌイットは、アザラシを同じ名前で呼ぶにも関わらず
アウヴェコエヤクとアザラシとは別個の生物だと主張した。
アウズフムラ
北欧神話に登場する巨大な牡牛
スノッリ・ストゥルルソンが1220年頃に書いた『新エッダ』によれぱ
アウズフムラはニヴルヘイムの氷が解けて二番目に生まれた生物である
(最初に生まれたのは巨人のユミル、彼もまた解けた氷から生まれた)
アウズフムラは塩辛い霜で覆われた石を舐めて養分を取り
その乳首から流れ出た乳によって巨人に栄養を与えた。
そして巨大な牡牛の舌で石が削られると、ブーリという人間が出現した
このブーリの孫が最初の神々、オーディン、ヴェー、ヴィリである。
この神々は巨人ユミルを殺害し、その死体から世界を作った。
アウフホッカー
ドイツに伝わる巨大な悪魔のような犬。
クルッドとも呼ばれるベルギーの黒妖犬と同じ特徴を数多く持つ。
アウフホッカーとは「飛び掛る」の意。
この怪物は人気のない夜道で家畜の姿で現れて旅人を驚かす事がある。
また黒妖犬の姿で突然現れて、道を跳ね回り、後足で立ち上がって
犠牲者の喉に食らいついたりする。
馬の姿で現れる場合も多く、疲れた人間や愚かな人間に乗るように誘いかける
犠牲者は恐ろしい乗り心地を味わわされた挙句、普通は沼や湿地
川に投げ込まれるまで、馬から降りる事はできない。
また、犠牲者の背中に飛び乗り鉤爪でしがみ付き、脅えた人間は
それを引き離そうとするが、もがけばもがくほど重くなるので
余りに消耗して死ぬ事も有る。
しかし、もしアウフホッカーが朝日を浴びるか
または近くの教会の鐘の音を聞けば、犠牲者は助かる。
アウンヤイナ
ブラジルのトゥパリ族に伝わり、信じられている怪物。
人間に似た巨大な存在で、その赤い顔からは野生の猪のように牙が突き出している
この怪物は食べる為に人間を捕まえ、無用心な人々を追いかける。
特に村はずれや森の中をうろつく子供達が狙われると言う。
アエテルナエ
紀元前4世紀にインド北部の平原に住むと報告された獣人。
鋸歯状の骨のような突起が額から出ていて、それを使って敵を攻撃したと言う。
また、アレクサンドロス大王の兵士達を攻撃し殺したとも言われる
兵士らは愚かにもアエテルナエを怒らせ、戦いに駆り立てたのだった。
アエロー
ギリシャ・ローマ神話に登場するハルピュイアの一人。
鳥に似た恐ろしい女性の怪物で、盲目になったピーネウスを苦しめた
彼の為にどんな食べ物が用意されても
彼女達はそれをひどい悪臭と糞で汚すか或いは
彼が手探りで食べ物に行き着く前に食べ物を貪り食った。
アキヤラボバ
米国先住民プエブロ族に伝わる有名な天空の怪鳥。
ナイフの様な羽を持つとされる。
アクタイオン
ギリシャ神話に登場する馬。
その名は「光輝」を意味し、ヘパイストスが太陽神ヘリオスの為に作った
金の馬車を引く太陽の馬の一頭である。
他の馬達と同様、純白で、鼻孔から揺らめく火の息を吐く。
毎朝、時間のニンフであるホーラー達がアクタイオンと他の8頭の太陽の馬を
天空を横切る旅の為馬車に繋ぐ。
黄昏時に旅が終わると、馬達は又翌日繋がれるまで、幸福の島で魔法の草を食べる。
アクーパーラ
インドのヒンドゥー教神話に登場する巨大な宇宙亀。
全世界をその背で支えるよう命じられているという。
悪魔の猟犬群
イングランドのコーンウォール地方の伝承に登場する
ワイルドハント(妖怪狩猟群)の一種
この巨大な悪魔犬達は、飼い主である悪魔猟師と同様に
黒く、ぎらぎらした目を持ち、火の息を吐くといわれている。
彼らは生者を追い詰めて八つ裂きにもする
又、大嵐の晩には地獄に落ちる人々の魂を狩って運び去る
それを救うことができるのは夜明けと雄鶏とカラスと祈りだけである。
アクリス
ヨーロッパにすむヘラジカに似た風変わりな獣
一世紀のローマの作家プリニウスが『博物誌』の中で触れている
草食動物だが、身体的に幾つか障害となる特徴があった。
まず、上唇があまりに大きいため、上唇で口が塞がれない様
後ろに移動しながら草を食べなければならなかった。
また、後ろ足に関節がないため不便で、夜は身体を支えるため
木に寄りかかって休まねばならなかった。
猟師はこれを利用して、足の早いこの獣を捕まえることができた。
アクリスが好む木に鋸で切れ目を入れておけば
アクリスが休みに来たとき、その木もろとも地面に倒れるのは確実だった
アクリスは厄介な後ろ足のせいで起き上がることができず
簡単につかまったと言う。
ラクチャランゴ
血に染まったチベットの牡牛の魔獣
ラマ僧を殺しまくった仏敵の牛魔王、ルゴンギエンポの別名かその側近か
または死を克服するもの、ヤマーンタカの別名と思われる
ストーンカ
ブルガリアの牛の魔獣
ブロンズのような皮膚を持ち、その咆哮は大地を揺るがす
牛の魔獣は太古より雷雲の化身と考えられてきた
その声が、雷鳴をあらわし、疾走する姿は
黒くもが大空を駆け抜ける様である。


幻想万魔殿