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【芸能・社会】死の前日、孫にミルク 平幹二朗さん告別式に600人2016年10月29日 紙面から
82歳で亡くなった俳優平幹二朗さんの告別式が28日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、芸能関係者ら約600人が参列し、最後の別れを惜しんだ。長男の俳優平岳大(42)は喪主あいさつの中で、亡くなる直前の平さんが孫にミルクをあげた様子や、その後ワインを飲んだことなどを語った。 平さんは23日、自宅の浴室でなくなっているのが見つかり、遺族によって命日は22日とされた。 その前日の21日、平さんは、先月生まれた孫(岳大の妹の長男)に初めて会った。岳大は「あまり子どもの扱いに慣れていない父は遠くから子どもの顔を見ていたんですが、だんだん慣れてくると太く大きな繊細な手で赤ん坊を抱きかかえ、哺乳瓶でミルクをあげていました。気を良くしたのか、その晩、大好きなワインをたくさんいただき、今まで僕と妹と父ができなかった家族の会話ができました」と、家族だんらんの様子を明かした。 最後はお酒でフラフラになった平さんを岳大が自宅に送り届けた。岳大は「ベッドに座らせ『もう飲むなよ』と言ったんですが、父は子どもが親を見るようなかわいい顔をして『タケ、もう帰りなさい』と笑っていました」と平さんそっくりの声色で再現し、「父は幸せだったと思います」とかみしめるように語った。 「NINAGAWAマクベス」など数多くの舞台、ドラマで共演した女優栗原小巻(71)は「平さんの演技には感動の瞬間がありました。優れた才能、誠実さ、内に秘めた情熱に私たち後輩は憧れに近い尊敬の念を持っていました。平幹二朗さんの芸術への強い意志と純粋な精神は、ご子息・平岳大さんに引き継がれます。平さん、ありがとうございました」と弔辞を読んだ。 出棺の際には、平さんの代表作、蜷川幸雄さん演出「王女メディア」で使われたヘンデル作曲「サラバンド」が流れ、元妻で女優の佐久間良子(77)や俳優仲間、芸能関係者らが雨の中、名優の“退場”を見送った。
◆悼む声▽俳優中尾彬(74) 「50年のお付き合い。オランダ、エディンバラでの『マクベス』でご一緒した時、『おれ、もう芝居やめてもいい』と言ったら、『何言ってるんだ』とどやされました。日本の俳優さんは枯れるといいと言われるけど、あの人はイギリスのシェークスピア役者みたいにたくましく、太い血管が体中張り巡らされているような感じでした」 ▽中村玉緒(77) 「30年以上前、帝劇(東京)の1カ月間の舞台で使っていただいたことがあり、それ以来ご一緒することはありませんでしたが、30年前のことが鮮明によみがえります。舞台の上とは違って、普段は人間味にあふれていて、とても気さくにお話ししてくれました。まだまだお芝居をしたかったんじゃないでしょうか。悔しかったと思いますが、ご子息の岳大さんがきっと後を立派に継がれていくと信じます」 ▽2012年の舞台「こんばんは、父さん」で平さんと共演した佐々木蔵之介(48) 「父と息子という設定の芝居で、大きな憧れの大先輩の平さんを『父さん』と呼べたのがうれしかった。圧倒的な存在感の一方で、非常にチャーミングな方でもありました。見習うべきことが多かった方です」 ▽ドラマ「カインとアベル」で共演した桐谷健太(36) 「ワンシーンだけご一緒させていただいて、これからもっとたくさんお話も聞きたかったですし、もっとお芝居もしたかった。ご一緒できて本当にいい経験になりました。役としては僕のおじいちゃん役だったので、きょうもそういう思いでした。役者は生身の人間が生きて、やっているんだという思いを教えていただいた」 ▽俳優溝端淳平(27) 「佐々木蔵之介さんと僕と平さんの3人芝居で地方を回りました。大先輩なのに、演劇青年のように純粋に貪欲に稽古に挑まれている姿が衝撃的でした。普段から凜(りん)とされていて、品があって、立っているだけで絵になって、私生活も含め全部を役者にささげた方なんだろうと思います」 ◆主な参列者栗原小巻、中村玉緒、佐々木蔵之介、山田涼介、桐谷健太、溝端淳平、上川隆也、木場勝己、市川猿之助、三宅健、夏木マリ、堤真一、藤原竜也、竜雷太、中尾彬、富司純子、佐久間良子 =順不同 PR情報
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