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中国船「スカボロー礁から姿消す」 比国防相
南シナ海

2016/10/28 22:48
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 【マニラ=遠藤淳】フィリピンのロレンザーナ国防相は28日、南シナ海で中国とフィリピンが領有権を巡って対立するスカボロー礁(中国名・黄岩島)近くにいた中国船が3日前から姿を消したと明らかにした。同礁は中国が2012年から実質的に支配する。先週の両国の首脳会談で南シナ海問題を平和的に解決することで合意していた。

 スカボロー礁は首都マニラのあるルソン島から約200キロの南シナ海に位置する。漁業資源が豊富で中国やフィリピンの漁場になってきたが、12年に両国の公船がにらみ合う事態が起き、フィリピンが撤退。中国が実質的に支配しフィリピンの漁船が近づくと妨害するようになっていた。

 ロレンザーナ国防相は28日「中国船は海警局や海軍も含め3日前からスカボロー礁周辺にはいない」と明言。「中国船が立ち去ったのだとしたらフィリピン漁民が再び操業できる」と語った。

 フィリピンのテレビ「ANC」は同日、フィリピン漁民に電話でインタビューし、「中国の船に妨害されずにスカボロー礁で漁ができている」との声を伝えた。

 南シナ海を巡ってはフィリピンが中国の海洋進出を阻止するため13年、国際的な仲裁裁判所に提訴。16年7月に南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶという中国の主張を退ける判決が出た。フィリピンのドゥテルテ大統領は10月20日に中国で習近平国家主席と会い、平和的に解決することで合意した。

 ドゥテルテ氏は帰国後、スカボロー礁での漁業について中国と協議したと明かした。「数日待てば(比漁民が同礁に)戻れるかもしれない」とも述べていた。

 中国外務省の陸慷報道局長は28日、中国当局はスカボロー礁での比漁民への妨害行為をやめたのかとの質問に「双方は現在、まさに意思疎通を続けている」と述べ、事実関係の確認を避けた。

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