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【芸能・社会】

吉田拓郎「古希」初ツアー 「そこらの70歳よりも元気なつもり」

2016年10月28日 紙面から

ギブソンからプレゼントされた特製ギターを手に、歌いまくった吉田拓郎=パシフィコ横浜で

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 シンガー・ソングライターの吉田拓郎(70)が27日、横浜市のパシフィコ横浜で、首都圏4都市を回るコンサートのファイナルを迎えた。2年ぶり、70歳を超えて初の“ツアー”。「春だったね」「落陽」「旅の宿」など代表曲のほか、「アゲイン」など新旧23曲を披露した。

 中盤では、ノーベル文学賞受賞が決まった米歌手ボブ・ディラン(75)にあこがれ、青年期に放浪の旅に出たエピソードを紹介しながら、ディランの「風に吹かれて」をサプライズで歌い、満員のファンから大歓声を浴びた。他人の曲を歌うのは極めて珍しい。

 公演前には取材に応じ「ボブ・ディランのギター1本という歌い方、歌手としての存在の仕方が、それまであったアメリカンポップスとか日本の歌謡曲とは全然違うもので、高校生だった僕には非常に大きな衝撃だった」と振り返った。

 フォークにポップスのテイストを加えた曲調や、字余り風の歌詞はディランの影響もある。「この人のマネをしたらかっこいいと思った。だから僕もギター1本で人の前で歌う姿を想像したり…。いろんな資料を取り寄せて、写真を見てマネをしてました」

 コメントを発していないディランについては「心の奥に何かを強く持ってるんだけど、それを生涯、人には明かさないんじゃないのっていうのがあって、僕も納得した。僕らにはボブ・ディランの心は一生見えない。そういう人だと思う」。

 12月10日にストックホルムで行われる授賞式への出席も注目されるが、拓郎は1974年の日本レコード大賞曲「襟裳岬」の作曲者として上下ジーンズ姿で登場し、ひんしゅくを買ったことを引き合いに「えんび服なんか着ないで、ボブ・ディラン的なファッションで出て行ったらかっこいいだろうなと単純に思う」とも語った。

 途中の公演では本編最後の「流星」で、感極まるシーンも見せた拓郎。それでも自身が楽しむように5公演を完走した。ライブは、12月23日午後10時からNHK総合で放送される。

◆12年ぶりにインタビュー応じる

 拓郎が公演前に取材に応じたのは、2004年のつま恋以来。最初に「もう70ですけど、そんじょそこらの70歳よりは元気にやってるつもりではいますんで」。

 同世代の歌手にも刺激を受けているようだ。「OさんとかIさんとか全国ツアーをやってらっしゃって、僕から見ると『何かあったのかお前たち』と。それぐらい元気ですね。よく彼らとメールなんかもやりとりしてるんですけどね。若いときより元気な気がするんですよね」。Oは小田和正(69)、Iは井上陽水(68)と思われる。

 09年に全国ツアーから撤退以来、ライブは関東近郊のみ。「いろいろお誘いは受けてるんですけど、僕がコンサート終わったら家に帰りたい。昔はホテル帰って一杯飲みに行くというのが常識で、地方行ったら夜遊びして楽しんでましたけど、この年齢になると、うちに帰って奥さんのご飯を食べたい」

 奥さんを同行すればという取材陣の提案には「ウチの人はいい奥さんですけど、帯同してくれて地方でもご飯を炊いてくれるようなタイプではない。そういうタイプではない、いい妻です」とノロケた。

 

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